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白血病〈小児〉(はっけつびょう)

更新・確認日:2019年06月20日 [ 履歴 ]
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2019年06月20日 タイトルに〈小児〉を追記し、本文に「血液・リンパ【白血病】」へのリンクを追加しました。
2018年03月07日 4タブ形式に変更しました。
2017年02月01日 「小児白血病・リンパ腫診療ガイドライン 2016年版」「造血器腫瘍取扱い規約 2010年3月(第1版)」より内容を更新しました。
2014年04月22日 2013年6月発行の冊子とがん情報サービスの情報を再編集し、掲載しました。
診療の流れやご家族に心がけていただきたいことなど、本格的に治療を始める前に知っておいていただきたい情報については「治療にあたって」をご参照ください。
なお、成人の白血病については「血液・リンパ【白血病】」をご参照ください。

白血病とは

血球の種類
血球の種類 イラスト画像
血液の中にある血球には、外部から体内に侵入した細菌やウイルスなど異物の排除などを役割とする白血球、酸素を運搬する赤血球、出血を止める働きをする血小板があり、骨の中にある骨髄(こつずい)でつくられます。白血病はこのような血液をつくる過程で異常が起こり、血球ががん化した細胞(白血病細胞)となって無制限に増殖することで発症します。

白血病は小児がんの中で最も多い病気です。白血病にはさまざまな種類がありますが、発症する割合は急性リンパ性白血病が約70%、急性骨髄性白血病が約25%です(図1)。

急性リンパ性白血病・急性骨髄性白血病は、病気の進行が速いために急に症状が出現する場合があります。このような場合は、早期の診断と速やかな治療の開始が重要です。

症状が起こる原因は大きく2つに分類され、骨髄で白血病細胞が増加することによって造血機能が低下し正常な血液細胞がつくれないために起こる症状と、白血病細胞が臓器に増殖することで起こる症状があります。代表的な症状は、貧血、出血、感染、肝臓や脾臓(ひぞう)の腫れ、発熱、骨痛などです。中枢神経系(脳と脊髄[せきずい])に白血病細胞が増殖することもあり、頭痛や吐き気・嘔吐(おうと)などの症状に注意が必要です。
図1 小児の白血病の発症割合
図1 小児の白血病の発症割合

急性リンパ性白血病(ALL)とは

急性リンパ性白血病(ALL:Acute Lymphoblastic Leukemia)は、白血球の一種であるリンパ球に成長途中の幼若(ようじゃく)な段階で遺伝子異常が起こり、がん化した細胞(白血病細胞)が無制限に増殖することで発症します。発症の原因の多くは不明です。
急性リンパ性白血病は、小児がんの中で最もよくみられる疾患です。2~5歳に発症することが多く、小児の人口10万人あたり年間3~4人の発症があります。日本では年間約500人が新たに診断されています。

急性骨髄性白血病(AML)とは

急性骨髄性白血病(AML:Acute Myeloid Leukemia)は、骨髄で血液をつくる過程において、未熟な血液細胞である骨髄球系前駆細胞に何らかの遺伝子異常が起こり、がん化した細胞(白血病細胞)が無制限に増殖することで発症します。未熟な血液細胞に遺伝子異常が起こる原因はわかっていません。日本では年間約180人が新たに診断されています。

「小児の白血病」参考文献

  1. 日本小児血液・がん学会編:小児白血病・リンパ腫診療ガイドライン 2016年版;金原出版
  2. 日本血液学会、日本リンパ網内系学会編:造血器腫瘍取扱い規約 2010年3月(第1版);金原出版
  3. Daniel A. Arber. et al. The 2016 revision to the World Health Organization classification of myeloid neoplasms and acute leukemia. Blood. 2016 May; 127(20): 2392.



更新・確認日:2019年07月24日 [ 履歴 ]
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2019年07月24日 用語集へのリンクを追加しました。
2018年03月07日 4タブ形式に変更しました。
2017年02月01日 「小児白血病・リンパ腫診療ガイドライン 2016年版」「造血器腫瘍取扱い規約 2010年3月(第1版)」より内容を更新し、「検査」の項目を追加しました。
2014年04月22日 2013年6月発行の冊子とがん情報サービスの情報を再編集し、掲載しました。

検査

診断を行い治療方針を決めるためには、さまざまな検査が行われます。検査は診断だけでなく、病型や発症に伴う異常や合併症の有無を確認する目的もあります。

治療方針を決定するために重要な検査は、急性リンパ性白血病では、リスク分類の基準となる白血球数、白血病細胞の種類分け(免疫学的分類)、染色体と遺伝子異常、中枢神経系(脳と脊髄[せきずい])および精巣浸潤(しんじゅん)の有無を確認する検査です。
急性骨髄性白血病では、白血病細胞を顕微鏡で見た形態や白血病細胞の種類分け(免疫学的分類)、染色体と遺伝子異常を確認する検査が重要となります。

血液検査

血液中の細胞の増減を調べます。白血球数は増加から減少までさまざまです。赤血球数や血小板数は減少していることが多いようです。顕微鏡で詳しく調べると、血液中に白血病細胞が存在していることがあります。

骨髄検査

骨髄穿刺(こつずいせんし)は診断と病型分類のために重要な検査で、治療効果の判定にも用います。骨髄穿刺は腸骨(腰の骨)に針を刺し、骨の中にある骨髄液を注射器で吸引して採取します。骨髄穿刺で十分な骨髄液を採取できない場合は、骨髄生検を行うことがあります。骨髄生検では、腸骨にやや太い針を刺し、骨髄組織を採取します。骨髄検査や骨髄生検は痛みを伴うため、小児では全身麻酔あるいは鎮静薬を使って行います。

治療開始後に、寛解(かんかい:症状や検査結果で白血病細胞が確認できない状態)となっても、体内にはまだ白血病細胞がわずかに残存していることがあり、微小残存病変(MRD)といいます。治療効果の確認のため骨髄検査でMRDを調べることもあり、検出された場合は白血病細胞を根絶させるため治療強度を上げることが検討されます。

染色体検査・遺伝子検査

染色体検査や遺伝子検査で染色体・遺伝子の構造や数の異常を調べます。これらは診断や病型分類、治療方針や治療効果の判定、予後の判定などが可能で重要な検査です。急性リンパ性白血病でみられるフィラデルフィア染色体(BCR-ABL融合遺伝子)や、急性骨髄性白血病でみられる8番染色体と21番染色体の各一部が入れ替わる異常(RUNX1-RUNX1T1融合遺伝子)などを調べます。

超音波検査・CT検査

臓器の異常や合併症の有無、症状により浸潤が疑われる部位の確認などのため、超音波検査(エコー)やCT検査を行うことがあります。



更新・確認日:2018年03月07日 [ 履歴 ]
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2018年03月07日 4タブ形式に変更し、「臨床試験」の項目を追加しました。
2017年02月01日 「小児白血病・リンパ腫診療ガイドライン 2016年版」「造血器腫瘍取扱い規約 2010年3月(第1版)」より内容を更新しました。
2016年07月08日 特殊なタイプに対しての治療「PL」を「APL」に修正しました。
2014年04月22日 2013年6月発行の冊子とがん情報サービスの情報を再編集し、掲載しました。

急性リンパ性白血病(ALL)

急性リンパ性白血病(ALL)の診断

白血病の診断は、骨髄中の白血病細胞の量と性質で決定されます。骨髄でリンパ芽球(がきゅう)が全有核細胞数の25%以上まで増加し、顕微鏡で見た形態および特殊染色で急性リンパ性白血病由来のものと判定された場合に診断されます。また、白血病細胞の細胞表面マーカーによって、大きくB前駆(ぜんく)細胞性、成熟B細胞性、T細胞性の3つに分けられており、治療方針を決めるための基準の1つとなります。

急性リンパ性白血病(ALL)の治療の選択

急性リンパ性白血病の治療の基本は化学療法(細胞障害性抗がん剤を用いた治療)です(図2)。化学療法は数種類の薬剤を用いる多剤併用療法で、寛解導入療法、強化療法、維持療法の3段階で行います。
図2 急性リンパ性白血病の治療
図2 急性リンパ性白血病の治療
日本小児血液・がん学会編「小児白血病・リンパ腫診療ガイドライン 2016年版」(金原出版)より作成

急性リンパ性白血病(ALL)の治療

1)寛解導入療法

白血病細胞の減少と症状の軽減を目的に行います。プレドニゾロン(またはデキサメタゾン)・ビンクリスチン・L-アスパラギナーゼ・アントラサイクリン系の4種類の薬剤を4~5週間かけて投与します。また、中枢神経系(脳と脊髄[せきずい])に白血病細胞の浸潤(しんじゅん)を予防するため、メトトレキサートという薬剤を髄液の中に注射します。

2)強化療法

寛解導入療法の終了直後から、さらに白血病細胞を減少するために行います。早期強化療法は寛解導入療法で使用していない薬剤を投与します。その後、寛解後強化療法として、寛解導入療法と早期強化療法を繰り返し行います。薬剤が届きづらい中枢神経系への浸潤予防には、メトトレキサートを含む薬剤の髄注療法や点滴による投与を行うこともあります。

3)維持療法

強化療法に続いて、白血病細胞の根絶と再発予防を目的に行います。メルカプトプリンを連日、メトトレキサートを週1回の2剤の内服が標準的な治療です。この時期は、学校生活などの通常の生活を送ることができます。維持療法も含め、全治療期間は最低2年間行うことが勧められています。

4)造血幹細胞移植

初診時の染色体分析で、通常は46本ある染色体数が44本以下のhypodiploid(低二倍体)など予後の悪い染色体異常や遺伝子異常がある場合、または初期の治療反応が不良であった場合は通常の治療では再発のリスクが高いと考えられ、同種造血幹細胞移植が検討されます。
また、寛解導入療法開始後1カ月を経ても寛解(かんかい)にならない場合は、救援化学療法などを行い、寛解に到達できた時点で同種造血幹細胞移植が考慮されます。

このほか、乳児急性リンパ性白血病で高リスクの場合や再発時に高リスクの場合など化学療法のみでの治療が難しい場合に検討されます。
【急性リンパ性白血病(ALL)の特殊なタイプの治療】

1)フィラデルフィア染色体陽性の場合

フィラデルフィア染色体が陽性の場合は、イマチニブなどの分子標的治療薬と化学療法の併用を行います。寛解導入療法から維持療法終了までの期間、分子標的治療薬の服用を可能なかぎり継続することが重要です。

2)乳児の場合

1歳未満でMLLという遺伝子の変化がある場合は、予後が不良な病型のため強力な多剤併用化学療法を行い、さらに高リスク群では同種造血幹細胞移植が検討されます。MLL遺伝子の変化がない場合は、通常の多剤併用化学療法を行います。

3)思春期・若年成人の場合

成人の治療法よりも小児の治療法のほうが治療成績が良好です。そのため小児の治療法と同じように、寛解導入療法、強化療法、維持療法の3段階で多剤併用化学療法を行います。
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急性リンパ性白血病(ALL)の予後因子

これまでの治療成績より、治療効果に影響するさまざまな条件が明らかになっており、これらを予後因子と呼びます。年齢と初診時の白血球数、白血病細胞の染色体・遺伝子異常、免疫学的分類、初期治療の反応性、中枢神経系への浸潤の有無などによって治療効果が異なります。

急性骨髄性白血病(AML)

急性骨髄性白血病(AML)の診断

治療方針を決定する上で重要となる分類は病型分類と呼ばれます。治療成績の蓄積や比較のためには統一した分類で診断することが重要なため、国際的にWHO分類(表1)が用いられています。 大きくは、1)急性前骨髄球性白血病、2)ダウン症候群に合併した急性骨髄性白血病、3)それ以外の急性骨髄性白血病、の3つの病型に分かれており、それぞれ異なった治療が行われます。
表1 急性骨髄性白血病のWHO分類(2016年版)
1) 特異的染色体異常*を有する急性骨髄性白血病
(a) t(8;21) (q22;q22.1)、RUNX1-RUNX1T1 を有する急性骨髄性白血病
(b) inv(16) (p13.1q22)またはt(16;16) (p13.1;q22)、CBFB-MYH11 を有する急性骨髄性白血病
(c) PML-RARA を有する急性前骨髄球性白血病
(d) t(9;11) (p21.3;q23.3)、MLLT3-KMT2A を有する急性骨髄性白血病
(e) t(6;9) (p23;q34.1)、DEK-NUP214 を有する急性骨髄性白血病
(f) inv(3) (q21.3q26.2) またはt(3;3) (q21.3;q26.2)、GATA2、MECOMを有する急性骨髄性白血病
(g) t(1;22) (p13.3;q13.3)、RBM15-MKL1 を有する急性骨髄性白血病(巨核芽球性)
(h) 暫定分類:BCR-ABL1 遺伝子変異を有する急性骨髄性白血病
(i) NPM1 遺伝子変異を有する急性骨髄性白血病
(j) 両アレルのCEBPA 遺伝子変異を有する急性骨髄性白血病
(k) 暫定分類:RUNX1 遺伝子変異を有する急性骨髄性白血病
2) 骨髄異形成関連の変化を有する急性骨髄性白血病
3) 治療に関連した急性骨髄性白血病と骨髄異形成症候群
4) 上記以外の急性骨髄性白血病
(a) 急性骨髄性白血病最未分化型
(b) 急性骨髄性白血病未分化型
(c) 急性骨髄性白血病分化型
(d) 急性骨髄単球性白血病
(e) 急性単球性白血病および急性単芽球性白血病
(f) 純赤芽球性白血病
(g) 急性巨核芽球性白血病
(h) 急性好塩基球性白血病
(i) 骨髄線維症を伴う急性汎骨髄症
5) 骨髄肉腫
6) ダウン症候群に関連した骨髄増殖症
(a) 一過性骨髄異常増殖症(TAM)
(b) ダウン症候群関連骨髄性白血病
7) 芽球形質細胞様樹状細胞腫瘍
*染色体異常の記号の説明
  • t  :転座(translocation) 2本の染色体がそれぞれ切断され、断片が交換されること
  • inv :逆位(inversion) 同じ染色体が2カ所切断され、内側の染色体の断片が逆転すること
  • q : 染色体の長い部分(長腕)
  • p : 染色体の短い部分(短腕)
copyright
Daniel A. Arber. et al. The 2016 revision to the World Health Organization classification of myeloid neoplasms and acute leukemia. Blood. 2016 May; 127(20): 2392.

急性骨髄性白血病(AML)の治療の選択

急性骨髄性白血病の治療の基本は、化学療法(細胞障害性抗がん剤を用いた治療)です(図3)。化学療法は数種類の薬剤を用いる多剤併用療法で、寛解導入療法と強化療法を行います。予後因子に基づいた低リスク群・中間リスク群・高リスク群によって治療の強さが異なります。
図3 急性骨髄性白血病の治療
図3 急性骨髄性白血病の治療
日本小児血液・がん学会編「小児白血病・リンパ腫診療ガイドライン 2016年版」(金原出版)より作成

急性骨髄性白血病(AML)の治療

1)寛解導入療法

白血病細胞の減少と症状の軽減を目的に行います。アントラサイクリン系の薬剤を3日間とシタラビンを7~10日間投与します。また、この2剤にエトポシドを併用する場合もあります。

2)強化療法

寛解導入療法の終了直後から、さらに白血病細胞を減少するために行います。アントラサイクリン系の薬剤と大量シタラビン療法を含んだ多剤併用化学療法を行います。寛解導入療法と併せて2~5コース行います。
急性前骨髄球性白血病以外の病型では、急性リンパ性白血病と異なり維持療法は行いません。

3)造血幹細胞移植

初診時の染色体・遺伝子異常が予後が不良な型であった場合や、初期治療の反応性の有無によって再発のリスクが高いとされる高リスク群に対しては、寛解が得られた時点で同種造血幹細胞移植が検討されます。

移植のドナーはHLA(白血球の型)が一致するきょうだいの骨髄が第一選択ですが、ドナーが見つからない場合はHLAが一致する非血縁骨髄移植や、非血縁臍帯血(さいたいけつ)移植を行います。これらの治療でも良好な成績が得られています。
【急性骨髄性白血病(AML)の特殊なタイプの治療】

1)急性前骨髄球性白血病の場合

t(15;17)という染色体異常があるものを急性前骨髄球性白血病といいます。播種(はしゅ)性血管内凝固症候群という重篤な合併症を伴うことがあるため、診断後すぐに治療を開始することが重要です。

寛解導入療法は、オールトランスレチノイン酸(ATRA)とアントラサイクリン系の薬剤にシタラビンを加えた多剤併用化学療法です。完全寛解に到達したあとは、ATRAとアントラサイクリン系の薬剤を中心とした複数回の強化療法、ATRAによる維持療法を行います。ATRAと類似の効果をもつ三酸化ヒ素(ATO)を使うこともあります。

2)ダウン症候群を合併した場合

ダウン症候群児に発症した場合は、4歳以下の発症や急性巨核芽球(きょかくがきゅう)性白血病が多いなどの特徴があります。治療による合併症が起こりやすい一方で治療の反応性はよいことから、シタラビンとアントラサイクリン系の薬剤を中心とした、通常の急性骨髄性白血病の治療よりは強度を弱めた多剤併用化学療法を行います。
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臨床試験

標準治療とは、科学的根拠に基づいた観点で最良の医療であり、保険診療で受けることができる治療法です。

現在行われている標準治療は、より多くの患者さんによりよい治療を提供できるように、研究段階の医療による研究・開発の積み重ねでつくり上げられてきました。よりよい標準治療の確立を目指して、多施設での臨床試験や治験などの研究段階の医療が行われています。

小児がんの臨床試験

現在国内で行われている臨床試験(医師・研究者が実施する臨床試験、および製薬企業や医師が実施する治験の一部)に関しては、「がんの臨床試験を探す」で情報を閲覧することができます。

小児がんは、患者数が少なく、臨床試験として治療が行われることもあります。参加できる臨床試験があるかについては、担当医に相談してみましょう。

再発

再発とは治療によって検査上がんが認められなくなったあと、再びがんが出現することをいいます。治療後は、定期的に通院して経過をみることが大切です。

急性リンパ性白血病(ALL)の再発時の治療

再発時期、部位、白血病細胞の免疫学的分類に基づいて、リスク分類(標準リスク・中間リスク・高リスク)を行いそれぞれに応じた治療を行います。
中間リスク群では、初回治療の3つの薬剤にアントラサイクリン系の薬剤やメトトレキサートを加えた強化寛解導入療法を行います。寛解導入療法後に微小残存病変(MRD)が低下した場合は化学療法を継続します。
中間リスク群で寛解導入療法の効果がない場合やMRDが残存する場合、高リスク群の場合は救援化学療法などで寛解に到達できた時点で同種造血幹細胞移植が検討されます。
標準リスク群は、中枢神経や精巣のみの晩期再発である場合です。中枢神経再発では、多剤併用化学療法と髄注による中枢神経治療のあと、局所放射線照射と維持療法を行います。精巣単独再発では局所治療と多剤併用化学療法を行います。

急性骨髄性白血病(AML)の再発時の治療

多くの場合は骨髄中のみの再発です。初回治療と同様、シタラビンとアントラサイクリン系の薬剤などを組み合わせた寛解導入療法が行われます。寛解が得られた時点で、同種造血幹細胞移植を行うことが勧められます。



更新・確認日:2018年03月07日 [ 履歴 ]
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2018年03月07日 4タブ形式に変更しました。
2017年02月01日 「小児白血病・リンパ腫診療ガイドライン 2016年版」「小児がん治療後の長期フォローアップガイドライン 2013年」より内容を更新しました。
2014年04月22日 2013年6月発行の冊子とがん情報サービスの情報を再編集し、掲載しました。

経過観察

治療終了後も体調の変化や再発の確認のため、定期的に通院して経過観察を行います。治療終了後の経過が長くなるほど通院の間隔は延びていきます。5年以降は1年に1回程度の通院となります。

経過観察中は免疫力が回復していないこともあるため、近くで水ぼうそうやはしかなどの特別な感染症が流行した場合は、対応について担当医にご相談ください。

晩期合併症

晩期合併症は、成長や時間の経過に伴って治療の影響によって起こる症状のことです。どのような晩期合併症が出現するかは、病気の種類・受けた治療・治療を受けた年齢などに関連し、症状の程度も異なります。

身体的晩期合併症には、①成長障害(低身長、やせ)、②内分泌(ないぶんぴつ)障害(成長ホルモン分泌障害、不妊)、③神経障害(運動障害、けいれん、知能障害、認知能力・記憶力・集中力の障害など)、④心機能障害(心筋症、不整脈、心不全など)、⑤骨・歯の異常(骨密度の低下、歯の欠損)、⑥二次がん(二次性脳腫瘍、二次性白血病)などがあります。

急性リンパ性白血病の治療で使用する抗がん剤による晩期合併症は、プレドニゾロンによる骨密度低下や成長障害、メトトレキサートによる認知機能障害や骨粗しょう症などがあります。
中枢神経系再発や精巣再発では放射線治療を行うことがありますが、晩期合併症を少なくするため腫瘍がある部分に限局して弱い線量で行うなどの工夫がされています。
急性骨髄性白血病の場合は、アントラサイクリン系薬剤による心機能障害、シタラビンによる認知機能障害などの可能性があります。

治療後は、合併症の有無や成長に異常がないかなど確認するため定期的に経過観察します。