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「食道がん、いまは手術しない選択肢もあるんですね」

田原

国立がん研究センターの専門家の方がいらっしゃるので、ひとつ聞いておきたいんですが、がんになったら、内科と外科と、どちらに先にかかったほうがいいですか?

堀田

診断をつけるという意味では、内科で全身を診て、それによってどうするという判断になると思います。

田原

最初は内科に行ったほうがいいということですか?

堀田

まあそのほうがいい場合が多いんじゃないでしょうか。ただ、乳がんの場合のようにはっきりと外に見えるものなら、外科に直接行かれる方が多いですね。

田原

そうですか。どうしてこんな質問をするかというと、内科に行くとどうしても抗がん剤で、外科に行くと手術ですよね。行った先によって、治療法が異なる。これ、おかしくないですか? ベストな治療法が外科か内科かで違うだなんて。

若尾

少し前まではそういうこともあったのですが、いまは病院内で十分にコミュニケーションを取って、その患者さんにとってどんな治療法が一番いいかを検討するようになっています。

堀田

がんセンターや総合病院では、内科と外科とで、いつも合同カンファレンスをやっています。

田原

いまはそれが普通なんですか?

若尾

ここ10年ほどで、拠点病院などでは、内科と外科など異なる専門の医師が合同で患者さんの治療方針について検討するキャンサーボードという検討会が行われるようになってきています。最近では、看護師や薬剤師など多くの職種もキャンサーボードに参加し、多職種で一緒に考えるチーム医療をやるようになってきています。

田原

実は私の甥が食道がんになったんですが、結局、手術をしなくても十分な効果がある抗がん剤だけで対応したんですね。食道がんって、いまは手術しない選択肢もあるんですね。

若尾

そうですね。最近では、手術の代わりに、化学療法と放射線を組み合わせた治療が選択されることが増えてきています。その治療方針も、外科だけ、内科だけではなく、チームで検討して決めるようになってきています。

田原

なるほど。いまの病院では、内科か外科か、最初にどっちに行ったほうがいいか、ではなくて、両方の治療法を検討してくれるわけですね。

関原

がん医療は格段によくなりました。私ががんになった80年代中頃は、固形がんに効く抗がん剤はほとんどなくて、手術ができるかできないかで運命が決定していました。また当時日本の病院には予約制度がなくて、通院は半日がかりでした。朝6時頃に順番札を取りに行って、3時間待って、診察が終わるのがやっと11時頃です。

アメリカは完全予約制だったので、日本の病院はいったいどうなっているんだろうと思いました。入院しないと検査も治療も受けられなくて、入院期間も長かったです。いまはどんな病院でも予約制だし、術前の検査や化学療法を外来で受けられます。仕事をしながら、治療を受けやすくなりました。

児玉

私の場合は、会社がメディアということもあって、始業が遅いので、朝の8時半に予約を取ると、治療を受けてからでも仕事に間に合います。それから乳腺外科と放射線科の先生が2人ともやさしくて、何かあったらすぐに携帯に連絡してくださいとおっしゃいました。個人的には、インターネットがあったので、記録代わりにブログをつけていたのも役立ちました。

田原

情報収集に使いましたか、インターネット。

児玉

いや、それはやりませんでした。インターネットにはいろいろな情報があふれすぎて、ノイズがあまりに多いのです。だから情報収集には使いませんでした。

河村

告知方法もこの10年で変わってきていますよね。田原さんの2番目の奥さまと時代はそれほど違いませんが、私の場合、インフォームドコンセントは、すごくよかったですよ。手術をする前に、夫と2人で、この先、多分セックスをするときに問題が出るだろう、排尿障害とか排便障害、リンパ浮腫といった後遺症が出るだろうという話をていねいにしてもらいました。私は本当に気が動転していて、ほとんど頭に残っていなかったのですが、夫が一緒に聞いてくれていたので、助かりました。

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  • 01 私たち、がんと共に働いてきました
  • 02 「なぜ教えてくれないの!余命半年なら精一杯生きたい」   がんの女房に怒られました
  • 03 医者に、がんです、と言われたらどうすればいい?
  • 04 食道がん、手術しないで治しました
  • 05 抗がん剤をずっと使うと制度があっても大きな負担になる
  • 06 家族につらいところは見せられないのが、つらい
  • 07 がんになったら、普通、会社では配置転換させられます
  • 08 がんになる前に、仕事の技術を磨こう。   それがサバイバルの武器になる
  • 09 「がん患者」は、 人生を共に生きるパートナーだ

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