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腎盂・尿管がん(じんう・にょうかんがん)

更新・確認日:2014年02月19日 [ 履歴 ]
履歴
2014年02月19日 内容を更新しました。タブ形式に変更しました。
2006年10月01日 内容を更新しました。
1997年03月31日 掲載しました。

1.手術(外科療法)

腎盂・尿管がんの治療は、手術が中心になります。ただし、表在がん(粘膜にとどまっているがん)であるか浸潤がんであるかどうかによって、治療方針が多少異なります。転移がなければ基本的に手術を行います。尿路上皮がんは多発・再発するのが特徴なので、がんのある部分のみの切除は一般に行われません。

1)腎尿管全摘除術および膀胱部分切除術

がんのある片側の腎臓、尿管、さらに膀胱壁の一部を含めた全ての上部尿路の摘出および膀胱部分切除を行うことが多いです。腎臓と尿管全体を摘出するため、その腎臓の側の腎盂や尿管からの再発の心配はありません。ただし、膀胱内にがんの再発がみられる場合があります。

腎臓は左右に1つずつあるため、片方の腎臓を摘出しても、もう一方の腎臓が正常に機能すれば生活上の制限はあまりなく、人工透析が必要になることはまれです。

2)尿管部分切除

がんが尿管のみにある場合、あるいは1つしかない腎臓の腎盂や尿管にがんが発生した場合などは、腎臓を摘出せず、尿管の部分切除を行うこともあります。しかし、残った部分に再発する可能性がありますので、治療選択の際には担当医とよく相談して治療方針を決定してください。

3)内視鏡的切除術

各種画像検査や尿管鏡検査で尿管がんと診断された場合、悪性度の診断と治療をかねて内視鏡的切除術を行うことがあります。内視鏡と器具を使用して、がんを切除します。一般に、単発で悪性度の低い小さながんに用いる方法です。
【手術に伴う主な合併症について】
●腎臓を摘出することによる腎機能の低下
腎細胞がんや腎盂がんの手術で片方の腎臓を摘出する場合でも、血液の中の老廃物を濾過して尿として排出する腎臓の機能は、残ったもう片方の腎臓で補うことができるので、通常は問題ありません。しかし、もともと糖尿病による腎機能の低下がある場合などでは、片方の腎臓で機能を十分補うことができないため、尿量が減ったり、血圧が不安定になったり、むくんだりすることがあります。片方の腎臓の摘出を行った場合、残った腎臓の機能が十分であれば、一時的に尿量が減ったり、血圧が不安定になったり、むくみが出るといったことがあっても、数週間もすれば、腎機能は正常に戻り、尿量や血圧も安定します。腎機能の低下がある場合には、並行して治療していきます。両方の腎臓の摘出を行うなどで腎臓の機能が失われた場合には、人工透析や腎移植を行う必要があります。
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2.化学療法(抗がん剤治療)

浸潤性の尿管がんは外側に広がりやすい特徴があります。また浸潤性の腎盂がんは腎臓の中に広がったり転移したりすることも少なくありません。そのため、術前の画像診断によりがんの浸潤が認められた場合や手術後の組織診検査の結果によっては、手術前後に抗がん剤治療を行うことがあります。また、すでにリンパ節や別の臓器に転移している場合は、数種類の抗がん剤を組み合わせて使う多剤併用化学療法が試みられます。このような転移例の場合にも、抗がん剤治療の効果をみて、手術や放射線治療を追加することもあります。

抗がん剤の効果と副作用には個人差があるため、効果と副作用の両方を評価しながら抗がん剤治療を行います。
【化学療法(抗がん剤治療)の副作用について】
治療中の主な副作用は、白血球減少血小板減少、腎機能障害(腎臓の機能が低下すること)、さらに抗がん剤による吐き気・嘔吐、食欲不振、脱毛などがあります。抗がん剤の副作用を軽減するために、連日、栄養剤や体液維持液の点滴注射が行われます。また、吐き気を抑える薬を使用します。治療の11日目あたりをピークとし、白血球がかなり少なくなり、感染に対して抵抗力がなくなります。白血球が減少した時期、何の感染がなくても熱が出たりします。これらの症状は白血球が上昇するにつれ改善します。
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3.放射線療法

放射線による治療は、高エネルギーのX線でがんを小さくする効果があります。しかし、腎盂・尿管がんなどの尿路上皮(移行上皮)がんにはあまり高い効果は期待できません。転移があって根治が望めない場合や年齢、合併症などにより手術が難しい場合、痛みなどの不快な症状を緩和するために放射線療法が選択されることもあります。

放射線療法には、だるさや吐き気など、いくつかの急性期の副作用がありますが、5年、10年と時間が経過してから副作用の出現(晩期合併症)が起こることもあります。
【放射線療法の副作用について】
副作用は、主として放射線が照射された部位に起こりますので、症状は部位によって異なります。だるさ、白血球減少、吐き気、嘔吐、食欲低下、下痢、皮膚炎などがあり、個人によって程度が異なります。症状が強い場合は、症状を和らげる治療をします。通常は、治療後時間がたつと次第に落ち着いてきますが、ときに長引くことや悪化することがあります。
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4.腔内注入療法

腎盂・尿管内注入療法(BCG)

腎盂・尿管の上皮内がんの場合には、腎臓を温存するために、結核に対するワクチンとして使われるBCGを、カテーテルで腎盂・尿管に注入する方法が選択されることがあります。また、腎機能が悪いために、腎臓の摘出が行えない場合、表在がんの治療や再発予防のためにBCGを使用する場合もありますが、治療効果についての評価は定まっていません。

副作用としては、発熱のほかに、結核菌が血液によって運ばれ、多臓器に結核病変が形成される重症結核症があります。

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腎盂尿管がん
151.腎盂尿管がん(PDF)


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