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更新・確認日:2019年04月08日 [ 履歴 ]
履歴
2019年04月08日 「胃癌治療ガイドライン医師用 2018年1月改訂(第5版)」「胃癌取扱い規約 第15版(2017年10月)」により、内容を全面的に更新をするとともに、4タブ形式に変更しました。
2015年10月31日 最新の情報を確認し、「疫学・統計」などを更新しました。
2012年12月04日 内容を更新しました。
2012年10月26日 更新履歴を追加しました。
2012年06月05日 内容を更新しました。タブ形式に変更しました。
2007年04月02日 掲載しました。
診療の流れ、セカンドオピニオンなど、本格的に治療を始める前に知っておいていただきたい情報については以下の「治療にあたって」をご参照ください。

1.胃について

胃は袋状の器官で、みぞおちの裏のあたりにあります。胃の入り口を噴門部(ふんもんぶ)といい、中心の部分を胃体部といいます。胃の出口は幽門部(ゆうもんぶ)と呼ばれ、十二指腸へつながっています(図1)。胃の近くにある血管の周りにはリンパ球が多く集まるリンパ節があります。
胃の壁は、内側から、粘膜、粘膜下層、固有筋層、漿膜(しょうまく)下層、漿膜と呼ばれる層になっています。
図1 胃の構造
図1 胃の構造の図
胃の主な働きは、食べ物をある時間その中にとどめ、それを消化することです。胃は、入ってきた食べ物の固まりをくだき、胃液や消化酵素を含む消化液と混ぜていきます。どろどろの粥(かゆ)状になった食物は、幽門部を通り少しずつ十二指腸へ送り出されていきます。
胃の入り口の噴門は、胃の中の食べ物が食道に逆流するのを防ぎ、胃の出口の幽門は、消化された食べ物を十二指腸へ送り出す量を調節します。

2. 胃がんとは

胃がんは、胃の壁の内側をおおう粘膜の細胞が何らかの原因でがん細胞となり、無秩序にふえていくことにより発生します。がんが大きくなるにしたがい、徐々に粘膜下層、固有筋層、漿膜へと外側に深く進んでいきます。がんがより深く進むと、漿膜の外側まで達して、近くにある大腸や膵臓(すいぞう)にも広がっていきます。このようにがんが周囲に広がっていくことを浸潤(しんじゅん)といいます。
胃がんでは、がん細胞がリンパ液や血液の流れに乗って、離れた臓器でとどまってふえる転移が起こることがあります。また、漿膜の外側を越えて、おなかの中にがん細胞が散らばる腹膜播種(ふくまくはしゅ)が起こることがあります。
胃がんの中には、胃の壁を硬く厚くさせながら広がっていくタイプがあり、これをスキルス胃がんといいます。早期のスキルス胃がんは内視鏡検査で見つけることが難しいことから、症状があらわれて見つかったときには進行していることが多く、治りにくいがんです。

3. 症状

胃がんは、早い段階では自覚症状がほとんどなく、かなり進行しても症状がない場合があります。
代表的な症状は、胃(みぞおち)の痛み・不快感・違和感、胸やけ、吐き気、食欲不振などです。また、胃がんから出血することによって起こる貧血や黒い便が発見のきっかけになる場合もあります。しかし、これらは胃がんだけにみられる症状ではなく、胃炎や胃潰瘍(いかいよう)の場合でも起こります。胃炎や胃潰瘍などの治療で内視鏡検査を行ったときに偶然に胃がんが見つかることもあります。
また、食事がつかえる、体重が減る、といった症状がある場合は、進行胃がんの可能性もあります。
これらのような症状があれば、検診を待たずに医療機関を受診しましょう。

4. 組織型分類

がん細胞の組織型(細胞を顕微鏡で観察した外見)分類では、胃がんのほとんどを腺がんが占めています。また、腺がんは、細胞の特徴から、大きく分化型と未分化型に分けられます(図2)。一般的に、分化型は進行が緩やかで、未分化型は進行が速い傾向があるといわれています。
なお、スキルス胃がんでは未分化型が多いですが、未分化型のすべての胃がんがスキルス胃がんになるわけではありません。
図2 分化型がんと未分化型がん
図2 分化型がんと未分化型がんの図

5. 関連する疾患

良性の胃の疾患として、胃ポリープ、胃潰瘍、慢性胃炎などがあります。胃潰瘍は胃 (みぞおち) の痛み、慢性胃炎では胃の不快感や胸やけなどの胃がんと似たような症状が起こることがあります。

6. 患者数(がん統計)

胃がんは、日本全国で一年間に約135,000人が診断されます。胃がんと診断される人は男性に多い傾向にあり、50歳ごろから増加して、80歳代でピークを迎えます。
男性では最も多く、女性では乳がん、大腸がんに次いで3番目に多いがんです1)

日本の胃がんの罹患率は、人口の年齢構成の移り変わりの影響を調整した場合、男性では2000年代前半まで減少傾向、その後は横ばいが続いています。女性では、1980年代から一貫して減少傾向にあります2)

7.発生要因

胃がんの発生要因としては、ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)の感染、喫煙があります。その他には、食塩・高塩分食品の摂取が、発生する危険性を高めることが報告されています2)

8.予防と検診

1)予防

日本人を対象とした研究結果では、がん予防には禁煙、節度のある飲酒、バランスのよい食事、身体活動、適正な体形、感染予防が効果的といわれています。

2)検診

がん検診の目的は、がんを早期発見し、適切な治療を行うことで、がんによる死亡を減少させることです。わが国では、厚生労働省の「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針(平成28年一部改正)」で検診方法が定められています。
胃がんの検診方法として「効果がある」とされているのは「問診」に加え、「胃部X線検査」または「胃内視鏡検査」のいずれかです。男女ともに、50歳以上の方が対象となっています。検診の間隔は2年に1度ですが、気になる症状があるときには、検診を待たずに医療機関を受診しましょう。
※当分の間、胃部X線検査は40歳以上、1年に1度の実施も可です。
なお、検診は、症状がない健康な人を対象に行われるものです。がんの診断や治療が終わったあとの診療としての検査は、ここでいう検診とは異なります。

9.「胃がん」参考文献

1) 厚生労働省.がん登録 全国がん罹患数 2016年速報,2019年
2) 日本臨床腫瘍学会編.新臨床腫瘍学 改訂第5版.2018年,南江堂
3) 日本胃癌学会編.胃癌取扱い規約 第15版(2017年10月),金原出版
4) 日本胃癌学会編.胃癌治療ガイドライン医師用 2018年1月改訂 第5版,金原出版
5)日本消化器内視鏡学会・日本胃癌学会編.胃癌に対するESD/EMRガイドライン.日本消化器内視鏡学会雑誌Vol. 56 (2014) No. 2 p. 310-323
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