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更新・確認日:2020年01月23日 [ 履歴 ]
履歴
2020年01月23日 「肺癌診療ガイドライン 悪性胸膜中皮腫・胸腺腫瘍含む 2019年版」より、内容の更新をしました。
2019年02月22日 「4.組織型分類(がんの組織の状態による分類)」に肺腺がんの記載を追加しました。
2018年07月31日 「4.組織型分類」から「4.組織型分類(がんの組織の状態による分類)」へタイトルを変更しました。
2018年07月25日 「6.発生要因」に関連情報を追加しました。
2017年08月03日 「EBMの手法による肺癌診療ガイドライン 悪性胸膜中皮腫・胸腺腫瘍含む 2016年版」「臨床・病理 肺癌取扱い規約 第8版(2017年)」より、内容の更新をするとともに、4タブ形式に変更しました。
2014年10月23日 「6.疫学・統計」を更新しました。
2012年11月02日 内容を更新しました。タブ形式に変更しました。
2006年10月01日 内容を更新しました。
1995年11月06日 掲載しました。
診療の流れ、セカンドオピニオンなど、本格的に治療を始める前に知っておいていただきたい情報については以下の「治療にあたって」をご参照ください。

1.肺について

肺は左右の胸部に1つずつあり、右肺うはいは3つ、左肺さはいは2つの肺葉はいように分かれています。気管が左右の主気管支に分かれて肺に入る部分を肺門、肺門以外の肺の本体部分を肺野といいます。先端付近の気管支には、肺胞という小さな袋が無数についています。左右の肺の間のすきまは縦隔じゅうかくといい、気管や食道、心臓などがあります(図1)。
肺は、胸腔きょうくう(胸壁という胸部を作る壁で囲まれた空間)の中にあり、胸膜きょうまくという二重の膜で包まれています。内側の胸膜は肺の表面を包み、外側の胸膜は胸壁と接していて、その間を胸水が満たしています。
肺は、体の中に酸素を取り入れ、いらなくなった二酸化炭素を外に出す働きをしています。
図1 肺の構造
図1 肺の構造の図

2.肺がんとは

肺がんは、気管支や肺胞の細胞が何らかの原因でがん化したものです。 進行すると、がん細胞は周りの組織を壊しながら増殖し、血液やリンパ液の流れにのって転移することもあります。転移しやすい場所はリンパ節、反対側の肺、骨、脳、肝臓、副腎です。

3.症状

「この症状があれば必ず肺がん」という症状はありません。症状がないうちに進行していることもあります。咳や痰、痰に血が混じる、発熱、息苦しさ、動悸、胸痛などがあげられますが、いずれも肺がん以外の呼吸器の病気にもみられる症状です。複数の症状がみられたり、長引いたりして気になった場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

4.組織型分類(がんの組織の状態による分類)

肺がんは、組織型によって、非小細胞肺がんと小細胞肺がんの2つに大きく分けられます(表1)。発生頻度が高いのは非小細胞肺がんで、腺がん、扁平へんぺい上皮がん、大細胞がんに分類されます。中でももっとも多いのが腺がんで、一般には「肺腺がん」ともいいます。小細胞肺がんは、非小細胞肺がんと比べて増殖速度が速く、転移や再発をしやすい腫瘍です。
非小細胞肺がんと小細胞肺がんでは、治療方針が大きく異なるため、検査によって組織型を確認してから治療を開始します。
表1 主な肺がんの組織型とその特徴
表1 肺がんの組織型とその特徴の表

5.患者数(がん統計)

肺がんは、日本全国で1年間に約125,000人が診断されます。男性に多い傾向にあり、60歳ごろから急激に増加しはじめ、高齢になるほど多くなります。男女ともに4番目に多いがんです1)

6.発生要因

喫煙は肺がんの危険因子の1つです。喫煙者は非喫煙者と比べて男性で4.4倍、女性では2.8倍肺がんになりやすく、喫煙を始めた年齢が若く、喫煙量が多いほどそのリスクが高くなります。受動喫煙(周囲に流れるたばこの煙を吸うこと)も肺がんのリスクを2〜3割程度高めます。
喫煙以外では、職業的曝露ばくろ※1や大気汚染※2、家族に肺がんにかかった人がいる、年齢が高いことなどが発生のリスクを高めると考えられています。
※1 アスベスト、ラドン、ヒ素、クロロメチルエーテル、クロム酸、ニッケルなどの有害化学物質にさらされている
※2 特にPM2.5(粒径 2.5 ミクロン以下の微小浮遊粒子)による汚染

7.予防と検診

1)予防

日本人を対象とした研究結果では、がん予防には禁煙、節度のある飲酒、バランスのよい食事、身体活動、適正な体形、感染予防が効果的といわれています。
肺がんを予防するために、たばこを吸っている人は禁煙し、吸わない人はたばこの煙を避けて生活しましょう。禁煙を始めてから10年後には、禁煙しなかった場合と比べて肺がんのリスクを約半分に減らせることがわかっています。

2)検診

がん検診の目的は、がんを早期発見し、適切な治療を行うことで、がんによる死亡を減少させることです。わが国では、厚生労働省の「がん予防重点健康教育およびがん検診実施のための指針(平成28年一部改正)」で検診方法が定められています。
40歳以上の方は1年に1回、肺がん検診を受けましょう。ほとんどの市町村では、検診費用の多くを公費で負担しており、一部の自己負担で検診を受けることができます。
検診の内容は、胸部エックス線検査、喀痰かくたん細胞診(50歳以上で、喫煙指数(1日の喫煙本数×喫煙年数)が600以上の方が対象)および問診です。問診では、自覚症状、喫煙歴、妊娠の可能性の有無、過去の検診の受診状況などを確認します。
検査の結果が「要精密検査(がんの疑いあり)」となった場合は、必ず精密検査を受けましょう。
※厚生労働省の指針では、がん検診の死亡率減少効果が確実で、検診の不利益(偶発症、過剰診断、偽陰性・偽陽性)が少ない検診だけが推奨されています。現時点で肺がん検診では、胸部エックス線検査と喀痰細胞診(50歳以上の重喫煙者のみ)が推奨されています。
なお、検診は、症状がない健康な人を対象に行われるものです。がんの診断や治療が終わった後の検査は、ここでいう検診とは異なります。

8.「肺がん」参考文献

1)厚生労働省ウェブサイト.がん登録 全国がん登録 罹患数・率 報告 平成28年報告;2019年(閲覧日2020年1月23日)
2)日本臨床腫瘍学会編.新臨床腫瘍学 改訂第5版.2018年,南江堂
3)日本肺癌学会ウェブサイト.肺癌診療ガイドライン 2019年版 悪性胸膜中皮腫・胸腺腫瘍含む(閲覧日2020年1月23日)
4)日本肺癌学会編.臨床・病理 肺癌取扱い規約第8版.2017年,金原出版
5)日本肺癌学会編.患者さんのための肺がんガイドブック 2019年版 悪性胸膜中皮腫・胸腺腫瘍含む.金原出版 
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