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全ページ表示がんの冊子でんし冊子胆道がん(たんどうがん)
胆管たんかんがん(肝内かんない胆管がんを含む)・胆のうがん・十二指腸乳頭部じゅうにしちょうにゅうとうぶがん

更新・確認日:2020年09月24日 [ 履歴 ]
履歴
2020年09月24日 「胆のうがん」「胆管がん」を統合して、タイトルを「胆道がん(胆管がん[肝内胆管がんを含む]・胆のうがん・十二指腸乳頭部がん)」に変更しました。「エビデンスに基づいた胆道癌診療ガイドライン 改訂第3版(2019年)」「臨床・病理 原発性肝癌取扱い規約 第6版補訂版(2019年)」「TNM悪性腫瘍の分類 第8版(2017年)」により、内容を全面的に更新しました。
診療の流れ、セカンドオピニオンなど、本格的に治療を始める前に知っておいていただきたい情報については以下の「治療にあたって」をご参照ください。

1.胆道について

胆道は、胆管、胆のう、十二指腸乳頭という3つの部分に分けられます(図1)。
胆管は、肝臓の中に張り巡らされた細い管(肝内胆管)として始まり、それらが木の枝が幹に向かうように合流しながら次第に太くなって、肝門部という肝臓からの出口で一本にまとまります。これを総肝管といいます。総肝管は、胆のうとつながる胆のう管が合流して総胆管となり、膵臓の中を通って、膵液を運ぶ膵管とともに小腸の一部である十二指腸につながります。このつなぎ目が十二指腸乳頭です。なお、肝臓の中の胆管を肝内胆管、肝臓の外の胆管を肝外胆管ともいいます。
胆道は、肝臓でつくられる胆汁たんじゅうという消化を助ける液を小腸に送る働きをしています。食べたものが十二指腸に届くと、胆のうに一時的にためられて濃縮された胆汁が、胆のう管、総胆管を通って十二指腸に送り出され、小腸での脂肪の消化を助けます。胆汁にはビリルビンという黄色の色素が含まれます。これが便と混じって排泄はいせつされるため、正常な便の色は茶褐色になります。
図1 胆道と周囲の臓器
図1 胆道と周囲の臓器の図

2.胆道がんとは

胆道がんは、胆道にできるがんの総称で、発生した部位によって分類されます(図1)。胆管がんは、がんが発生した場所が肝臓の中か外かによって肝内胆管がんと肝外胆管がんに分類されます。さらに、肝外胆管がんは、胆管のどの部分に発生したかによって肝門部領域胆管がんと遠位胆管がんに分類されます。
肝内胆管がんは肝臓に発生するため、原発性肝がんに分類されますが、原発性肝がんの大部分を占める肝細胞がんと区別するために、胆管細胞がんともよばれます。肝臓の中に発生しますが、肝細胞がんとは性質が異なり、検査や治療法には肝外胆管がんと共通するものもあります。そこで、肝内胆管がんについてもこのページで説明します。
胆道がんは、周囲のリンパ節、肝臓、肺などの臓器に転移したり、膵臓などの周囲の臓器に浸潤(がんが周囲に染み出るように広がっていくこと)したりすることがあります。

3.症状

胆道がんの症状には、黄疸おうだん、右わき腹の痛み、体重減少などがあります。
肝外胆管がんや十二指腸乳頭部がんでは、黄疸がよくみられます。黄疸は、胆管の内部ががんによって狭窄きょうさく(狭くなること)したりつまったりして、黄色の色素であるビリルビンを含む胆汁が血液の中に流れ込むことにより起こります。皮膚や白目が黄色くなったり、尿の色が茶色っぽく濃くなったりするほか、皮膚にかゆみが出ることもあります。一方、十二指腸に排出されるビリルビンの量が減るため、便の色が白っぽくなることもあります。黄疸のほかに、みぞおちや右わき腹の痛み、発熱、全身のだるさ、食欲不振、体重減少などの症状が出ることもあります。
肝内胆管がんや胆のうがんは、早期には症状が出ないことが多いがんです。進行すると黄疸がみられることがあり、胆のうがんではみぞおちや右わき腹の痛みが出ることもあります。ただし、このような痛みは胆石症などのがん以外の病気によって出ることもあります。
胆道がんでは、がんの発生した部位によって、出やすい症状や症状の出るタイミングが異なります。少しでも気になる症状がある場合には、内科または消化器科を受診しましょう。

4.患者数(がん統計)

胆のうがんは、日本全国で1年間に約8,200人が診断されます。男女別でみると男性では1年間に約3,600人、女性では約4,600人と女性にやや多い傾向があります。肝外胆管がんと十二指腸乳頭部がんは、合わせて、日本全国で1年間に約14,500人、男女別でみると男性では1年間に約8,500人、女性では約5,900人が診断されます。
※部位不明の胆道のがんなども含みます。肝内胆管がんは含みません。

5.発生要因

膵胆管合流異常症などが、胆のうがんを発生するリスクを高めることがわかっています。また、印刷工場で使用される化学物質ジクロロメタン、1,2-ジクロロプロパンへの高濃度曝露が、胆管がんを発生するリスクを高めると考えられています。その他の胆道がんについては、危険因子はわかっていません。
※がん情報サービスの発生要因の記載方針に従って、主なものを記載しています。記載方針については関連情報をご覧ください。

6.予防と検診

1)予防

日本人を対象とした研究結果では、がん予防には禁煙、節度のある飲酒、バランスの良い食事、身体活動、適正な体形、感染予防が効果的といわれています。

2)検診

がん検診の目的は、がんを早期発見し、適切な治療を行うことで、がんによる死亡を減少させることです。わが国では、厚生労働省の「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針(平成28年一部改正)」で検診方法が定められています。
しかし、胆道がんについては、現在、指針として定められている検診はありません。気になる症状がある場合には、医療機関を早めに受診することをお勧めします。
なお、検診は、症状がない健康な人を対象に行われるものです。がんの診断や治療が終わった後の診療としての検査は、ここでいう検診とは異なります。

7.「胆道がん」参考文献

1)厚生労働省ウェブサイト;がん登録 全国がん登録 罹患数・率 報告 平成29年報告;2020年(閲覧日2020年9月15日) https://www.mhlw.go.jp/
2)日本肝癌研究会編.臨床・病理 原発性肝癌取扱い規約 第6版補訂版.2019年, 金原出版.
3)日本肝胆膵外科学会・胆道癌診療ガイドライン作成委員会編.エビデンスに基づいた胆道癌診療ガイドライン 改訂第3版.2019年, 医学図書出版.
4)日本肝胆膵外科学会編.臨床・病理 胆道癌取扱い規約 第6版. 2013年, 金原出版.
5)Brierley JDほか編.TNM悪性腫瘍の分類 第8版.2017年,金原出版.
6)日本肝胆膵外科学会ウェブサイト;肝内胆管がんと肝良性腫瘍,胆管がん,胆のうがん,乳頭部がん;2017年(閲覧日2020年9月15日) http://www.jshbps.jp/
7)日本臨床腫瘍学会編.新臨床腫瘍学(改訂第5版).2018年,南江堂.
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