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全ページ表示がんの冊子腎細胞がん(じんさいぼうがん)

更新日:2017年12月25日 [ 更新履歴 ]
更新履歴
2017年12月25日 「腎癌診療ガイドライン2017年版」より、内容の更新をするとともに、4タブ形式に変更しました。
2013年11月22日 タブ形式への移行と内容の更新をしました。
2006年10月01日 更新しました。
1997年03月24日 掲載しました。
診療の流れ、セカンドオピニオンなど、本格的に治療を始める前に知っておいていただきたい情報については以下の「治療にあたって」をご参照ください。

1.腎臓について

腎臓は、ソラマメのような形をした、成人の握りこぶしよりもやや大きい臓器です。腹部に左右1つずつあり、腸管全体を包み込む腹膜と背中の間にあたる、後腹膜腔(こうふくまくくう)という場所に位置しています。高さとしては、ちょうど肋骨(ろっこつ)の下端あたりです。
腎臓の主な働きは、血液をろ過して尿をつくることです。尿は腎実質(実質はさらに皮質と髄質に分けられます)でつくられ、腎盂(じんう)に集められたあと、尿管を通って膀胱(ぼうこう)へと送られます。また、腎臓は血圧のコントロールや造血に関するホルモンの生成もしています。
図1 腎臓の構造
図1 腎臓の構造

2.腎細胞がんとは

腎細胞がんは、腎臓にできるがんのうち、腎実質の細胞ががん化して悪性腫瘍になったものです。同じ腎臓にできたがんでも、腎盂にある細胞ががん化したものは「腎盂がん」と呼ばれ、腎細胞がんとは区別されます。腎細胞がんと腎盂がんでは、がんの性質や治療法が異なるためです。ここでは、腎細胞がんについて解説します。なお、一般的に「腎がん」とは腎細胞がんのことをいいます。

3.症状

腎細胞がんには、特徴的な症状はありません。そのため、小さいうちに発見される腎細胞がんは、他の病気のための検診や精密検査などで、偶然に発見されるものがほとんどです。肺や脳、骨に転移したがんが先に見つかり、結果として腎細胞がんが見つかることも少なくありません。
腎細胞がんが大きくなると、血尿が出たり、背中・腰の痛み、腹部のしこり、足のむくみ、食欲不振、吐き気や便秘、おなかの痛みなどが生じたりすることもあります。気になる症状がある場合には、早めに医療機関を受診することが大切です。

4.組織型分類

腎細胞がんは、顕微鏡下でのがん組織の見え方によって、いくつかの組織型に分類されます。同じがんの中に、複数の組織型が混在していることもあります。
腎細胞がんの組織型は、治療を選択するときの判断材料の1つです。また、組織型によって、病状の進行や良くなる傾向も異なることが知られています。

5.統計

腎細胞がん(腎盂を除く腎のがん)にかかる割合は、10万人に約6人です。がん全体のうちの約1%を占め、やや男性に多い傾向にあります。腎細胞がんは50歳ごろから増加し、70歳代まで高齢になるほど高くなります1)

6.発生要因

腎細胞がんの発生する要因としては、喫煙と肥満があります。また、腎細胞がんと関連する疾患として、遺伝子が原因で発症するフォン・ヒッペル・リンドウ(Von Hippel-Lindau:VHL)病や、後天性嚢胞腎(こうてんせいのうほうじん)が知られています。

7.予防と検診

1)予防

日本人を対象とした研究結果では、がん予防には禁煙、節度のある飲酒、バランスの良い食事、身体活動、適正な体形、感染予防が効果的といわれています。

2)検診

がん検診の目的は、がんを早期発見し、適切な治療を行うことで、がんによる死亡を減少させることです。わが国では、厚生労働省の「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針(平成28年一部改正)」で検診方法が定められています。

しかし、腎細胞がんについては、現在、指針として定められている検診はありません。気になる症状がある場合には、医療機関を早期に受診することが勧められます。人間ドックなど任意で検診を受ける場合には、検診のメリットとデメリットを理解した上で受けましょう。

なお、検診は、症状がない健康な人を対象に行われるものです。がんの診断や治療が終わった後の検査は、ここで言う検診とは異なります。

8.「腎細胞がん」参考文献

1)Tamaki T, Dong Y, Ohno Y, et al. The burden of rare cancer in Japan: Application of the RARECARE definition. Cancer Epidemiology 2014; 38: 490-495.
2)日本泌尿器科学会編.腎癌診療ガイドライン2017年版,メディカルレビュー社
3)日本泌尿器科学会・日本病理学学会・日本医学放射線学会編.泌尿器科・病理・放射線科腎癌取扱い規約第4版,2011年,金原出版
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