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吐き気・嘔吐(おうと)

~がんの治療を始めた人に、始める人に~
更新・確認日:2018年10月04日 [ 履歴 ]
履歴
2018年10月04日 更新しました。
2004年12月02日 更新しました。
1996年05月30日 掲載しました。

ポイント

1.吐き気・嘔吐について

吐き気・嘔吐は、がんの治療中に起こりうる症状です。吐き気・嘔吐が続くと全身の状態が悪くなり、がんの治療を続けることが難しくなります。

2.原因

がんの治療の副作用によって起こる以外に、がんが消化器や脳に影響を与えて吐き気や嘔吐を起こす場合もあります。

3.吐き気・嘔吐が起きたときには

吐き気を抑える薬を使うことや、原因や症状の強さに応じた対策をすることで、症状を予防したり、和らげたりすることができます。

4.ご本人や周りの人ができる工夫

  • においがこもらないように部屋の空気を入れ替える
  • 口内を清潔に保つ
  • なるべく消化のよいものを食べる
  • 少量ずつ、数回に分けて食べる
  • 自分にあった味付けや温度をみつける
  • ゆったりとした服装を心がける

5.こんなときは相談しましょう

  • 吐き気・嘔吐のために食事がとれない場合は、医師、看護師、薬剤師に相談してください。
  • 今のんでいる痛み止めや抗がん薬を減らしたり、やめたいと思うときも、自分で判断せず、医師、看護師、薬剤師に相談しましょう。

1.吐き気・嘔吐について

吐き気・嘔吐はがん患者さんの40~70%にみられる症状です1)。がんの治療に用いる薬の副作用として起こるときには、治療から数時間以内に起こることもあれば、1日以上たってから起こることもあります2)。吐き気・嘔吐が続くと飲食が十分にできなくなり、暮らしの楽しみが減るとともに、全身の状態が悪くなり、治療を続けることが難しくなります。

2.原因

がん治療中の吐き気・嘔吐の多くは、がんの治療で用いる薬や麻薬などその他の薬で起こります。また、手術や放射線治療によって起こる場合もあります。そのほか、がんが消化器や脳に影響を与えて吐き気や嘔吐を起こす場合や不安による場合などがあります。また、原因は必ずしも1つではなく、複数の原因によって起こることもあります。

3.吐き気・嘔吐が起きたときには

吐き気を抑える薬(制吐薬:せいとやく)で予防したり、軽くしたりすることができます1)。さまざまな種類の制吐薬があり、原因や症状に合わせた薬や治療法が選ばれます1)
吐き気・嘔吐が起こりやすい抗がん治療を始める前には、予防的に制吐薬が処方されます1)。また、不安や緊張などが原因となって起こる吐き気・嘔吐には、心や体をリラックスさせるために抗不安薬(こうふあんやく)と呼ばれる薬が処方されることがあります2)

4.ご本人や周りの人ができる工夫

吐き気・嘔吐の原因によっては、ご本人や周りの人が工夫できることもあります。

1)生活環境の工夫

食べもの、化粧品、芳香剤などのにおいが、吐き気・嘔吐を引き起こすことがあります。においの強いものを患者さんの周りにおかないよう配慮しましょう1)。部屋ににおいがこもっている場合は、窓を開けて空気を入れ替え、できるだけ快適に過ごせるようにしましょう。

2)食事の工夫

一般に、胃の中に食べものがとどまっていると吐き気・嘔吐が起こりやすくなるため、なるべく消化のよい食べものを選びましょう。炭水化物を多く含む食べもの(ご飯、麺など)は消化が早く、胃の中にとどまっている時間も短い傾向があります。一度に多くを食べようとせず、少量ずつ小分けし、数回に分けて食べやすいようにするといった工夫も大切です1)
炊き立てのご飯のにおいで吐き気を感じることがありますが、冷凍したご飯を電子レンジで温めると、においを抑えることができます。また、温かいものほどにおいを感じやすいため、湯気のでない温度がよいといわれています1)
食欲がないときは、冷たいもの、のどごしのよいもの、やわらかいもの、においの少ないもの、やや酸味のあるもの、時には炭酸飲料などもおすすめです1)
食物アレルギーや糖尿病などのがん以外の病気をおもちの場合には、医師や栄養士に相談していくとよいでしょう。

3)姿勢や服装の工夫

症状に応じてクッションなどを用いて体を起こし、楽だと感じる姿勢をとります1)
衣類によって体が締めつけられると、吐き気・嘔吐を引き起こしやすくなります1)。特におなかの周りを圧迫しないようにゆったりとした服装を心がけしましょう1,2)

4)うがい・口腔(こうくう)ケア

口内を清潔に保つことは大切です。うがいや歯磨きによって吐き気・嘔吐をもよおすときには、少量の冷水などで数回に分けてうがいを行うなどの工夫をするとよいでしょう1)

5)便秘のときには

便秘が吐き気・嘔吐に影響していることもあるため、便秘が続いていたり、便秘ぎみの場合は、医師や薬剤師、看護師と相談のうえ、下剤で対処したり、できる範囲で体を動かしたり、水分をとったりしてみるとよいでしょう1)

6)ご家族や周りの人による支え

症状があるときは、周囲の人によって不快感のない程度に背中をさすったり、ゆっくりと声をかけたりすることで、苦痛や不安が軽くなることがあります1)

5.こんなときは相談しましょう

食事がとれない場合、特に、水もとれなくなってしまったときは、必ず、看護師や医師に相談しましょう。処方された薬に疑問や不安を感じた場合も、自分の判断で薬をのむ量を減らしたりやめたりせずに、医師・看護師・薬剤師などに相談してください。また、医師や看護師などの医療者に自身の状態を伝えることは大切です。周囲の方に協力してもらうなどして、吐き気・嘔吐の状況を記録(いつ、どんなときに)しておくとよいでしょう。 

6.「吐き気・嘔吐」参考文献

1) 日本緩和医療学会. がん患者の消化器症状の緩和に関するガイドライン 2017年版 第2版, 金原出版
2) 日本癌治療学会. 制吐薬適正使用ガイドライン2015年第2版, 金原出版
3) 国立がん研究センター内科レジデント編. がん診療レジデントマニュアル第7版. 2016年, 医学書院
4) 森田達也ほか監修, 西智弘ほか編集. 緩和ケアレジデントマニュアル. 2016年, 医学書院
5) NPO法人キャンサーリボンズ編. がんの治療と暮らしのサポート実践ガイド.2017年, SMS
6) 松浦成昭著. 患者さんの目線から考えるがんの栄養・食事ガイドブック. 2017年, メディカルレビュー社

7.その他の関連情報

1) 外部サイトへのリンク(公財)神戸医療産業都市推進機構 がん情報サイト PDQ® 日本語版 がん治療に関連する吐き気と嘔吐(PDQ®)

 ※海外の医療事情に基づく情報が含まれており、日本では認められていない治療や薬、行われない補完代替療法等の情報も含まれています。

●本ページの情報は、がん情報サービスの編集方針に従って作成しています。
必ずしも参照できる科学的根拠に基づく情報がない場合でも、有用性や安全性などを考慮し、専門家および編集委員会が評価を行っています。

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