HOME > 小児がんの解説 > 胚細胞腫瘍 [基礎知識]

胚細胞腫瘍(はいさいぼうしゅよう)

一括印刷用ページ
更新・確認日:2014年04月22日 [ 履歴 ]
履歴
2014年04月22日 2013年7月発行の冊子とがん情報サービスの情報を再編集し、掲載しました。

胚細胞腫瘍とは

胚細胞腫瘍は、胎生期(胎児の時)の原始生殖細胞といわれる、精子や卵子になる前の未成熟な細胞から発生した腫瘍の総称です。精巣・卵巣といった性腺由来のものと、仙尾部(せんびぶ)、後腹膜(こうふくまく:腹部の大血管周囲)、前縦隔(ぜんじゅうかく:胸骨の裏で心臓の前の部分)、頸部、頭蓋内(ずがいない)など性腺外に出るものに分けられます。頭蓋内では松果体の付近に多く発生します。

胚細胞腫瘍の中でもっとも頻度が高いのは奇形腫と呼ばれる腫瘍であり、構成する細胞の分化の程度により成熟型と未熟型に分けられますが、いずれも良性として扱われます。胚細胞腫瘍は、体のどのような部位にも分化できる可能性を持つ生殖細胞由来であるため、1つの腫瘍の中に神経系成分、脂肪成分、骨や歯の成分、のう胞成分などいろいろな組織成分が集まっているのが特徴です。その他、胎児性がん(精巣)、多胎芽腫(たたいがしゅ)、卵黄のう腫瘍、絨毛(じゅうもう)がんや、未分化胚細胞腫(卵巣)、胚細胞腫(性腺外)、セミノーマ(精上皮腫:精巣)などの悪性の胚細胞腫瘍もあります。また良性型の奇形腫が、時間の経過により悪性化したり、悪性の形で再発したりすることもあります。

よく発症する年齢や頻度は生じる部位により異なります。精巣原発のものは生後6ヵ月から12ヵ月ころに多く、悪性型の卵黄のう腫瘍も同時期に多くみられます。これに対して卵巣原発のものは乳児期から成人期まで広い年齢に発症し、良性型が多くみられます。

性腺以外の場所で最も発生の頻度が高い部位は仙尾部で、新生児の腰に大きな腫瘍が飛び出したように見えますが、ほぼ全てが未熟成分を含む良性型です。ただし生後6ヵ月以降に発症するものでは仙骨の前側に発生することが多く、悪性である可能性が非常に高い特徴があります。まれにみられる頸部原発の腫瘍は、新生児期や出生前に診断されるものがほとんどです。また、後腹膜原発の腫瘍は胚細胞腫瘍全体の10%程度であり、乳児期以降の比較的高い年齢によく発症しますが、悪性である可能性は10%未満と多くはありません。前縦隔の腫瘍は胸腺原発であることが多く、学童期以降の高い年齢によく発症します。悪性腫瘍も少なからずみられます。

15歳からの青年期に発症した精巣腫瘍や卵巣胚細胞腫瘍は、成人の腫瘍の場合と同じ治療を行うことがあります。がん情報サービス それぞれのがんの解説の「精巣(睾丸)腫瘍」や「卵巣がん」を参考にしてください。
よりよい情報提供を行うために、アンケートへの協力をお願いいたします。
アンケートページへ
用語集 このページの先頭へ