網膜芽細胞腫〈小児〉について
1.網膜と眼について
網膜は眼球の内面を覆う薄い膜状の組織であり、カメラに例えるとフィルムのような役割を果たしています。
角膜を通って瞳孔(眼の中心にある黒目の部分)から入った光は、水晶体により屈折した後、網膜に映し出されます。網膜で感じ取った光の刺激が視神経を通って脳に伝わり、「見える」と認識されます。
2.網膜芽細胞腫とは
網膜芽細胞腫は、目の奥にある網膜に発生する悪性腫瘍(がん)です。乳幼児に多く、出生児16,000~23,000人につき1人の割合で発症します。
家族が「子どもの瞳が猫の目のように白く光って見える」という白色瞳孔(猫目現象)の症状に気付いて受診することが多く、患者全体の約9割が3歳までに診断されています。
腫瘍が眼球内にとどまっている早期の段階で治療が開始できれば生命に関わることは少なく、治る可能性が高い病気です。片方の目だけにできる片眼性と、両方の目にできる両眼性があり、その割合はおよそ2:1です。
がん細胞の特徴と組織型の分類
網膜芽細胞腫の細胞は小さな丸い形をしており、神経や網膜の細胞と似た性質を持っています。顕微鏡で見たときの細胞の並び方によって、不規則に並ぶ「未分化型」と、中心を囲むように放射状に並ぶ「分化型(ロゼット様)」の2つのタイプ(組織型)に分けられますが、多くはこれらが混ざり合っています。
また、この腫瘍は大きくなるスピードが早いため、血液の供給が追いつかずに細胞の一部が死んでしまう「腫瘍壊死」を伴うことが少なくありません。その死んでしまった部分にカルシウムが沈着して硬くなる「石灰化」がみられる点も、大きな特徴となっています。
3.症状
乳幼児は見え方の異常などの症状をうまく伝えることができません。そのため、腫瘍が大きくなってから、瞳の奧が白く光って見える白色瞳孔などの症状で周りの人に発見されることが多いという特徴があります。
また、網膜の中心部(黄斑部)に腫瘍ができた場合は、視力が悪くなることが原因で左右の目で視線がずれる斜視になったり、自分の意志とは関係なく目(眼球)が小刻みに動いたり揺れたりする眼振の症状が出て発見されることがあります。
腫瘍がさらに大きくなると、目の中の圧力(眼圧)が上がって目が充血したり、まぶたや目の周りが腫れたり(眼部腫脹)、目が痛んだりします。また、その痛みによってミルクや母乳をうまく飲めなくなったり(哺乳不良)、吐いてしまったり(嘔吐)することがあり、これらの症状から病気が見つかることもあります。
学童期(小学生)では、乳幼児と同様に白色瞳孔や斜視で発見されることが多いものの、子ども自身が「見えにくさ」に気付いて見つかることもあります。
4.発生要因
網膜芽細胞腫は、RB1と呼ばれる遺伝子の変化によって発生することが分かっています。RB1遺伝子は、細胞が無秩序に増殖してがん化するのを防ぐ「がん抑制遺伝子」の1つです。しかし、なぜこの遺伝子に変化が起こるのかについてはまだよく分かっていません。
RB1遺伝子の変化が起こるパターンには、大きく分けて非遺伝性と遺伝性の2つのタイプがあります(表1)。
| 項目 | 非遺伝性 | 遺伝性 |
|---|---|---|
| RB1遺伝子の変化 | 腫瘍細胞のみに存在 | 全身の細胞に存在 |
| 遺伝子変化の発生時期 | 生まれた後に生じる | 生まれつき存在する |
| 発生する目 | 主に片眼性 | 両眼性が多い |
| 子どもへの遺伝 | 遺伝しない | 遺伝する可能性がある |
| 二次がんのリスク | 高くならない | 高くなる |
もし遺伝性と分かった場合には、一人ひとりの体質に合わせた治療や健康管理を丁寧に行っていきます。また、遺伝について不安がある場合は、遺伝カウンセリング(遺伝相談外来)を利用することもできます。
- 網膜芽細胞腫の腫瘍細胞のみで変化が起こった場合(非遺伝性)
網膜芽細胞腫の腫瘍細胞のみにRB1遺伝子の変化が起こったタイプです。基本的に片方の目だけに腫瘍が発生します(片眼性)。このタイプの場合、将来生まれてくる子どもに病気が遺伝することはありません。 - 生まれつき体のすべての細胞で変化がある場合(遺伝性)
生まれつき、体の中のすべての細胞にRB1遺伝子の変化があるタイプです。この変化は、親から引き継ぐ場合もあれば、本人の代で新たに発生する場合もあります。このタイプでは、遺伝子の変化が子どもに引き継がれる(遺伝する)可能性があります。網膜芽細胞腫が両方の目に発生する場合(両眼性)のほぼすべてと、片方の目だけの場合(片眼性)の約10~15%がこのタイプにあたります。また、最初は片方の目だけでも、もう片方の目にも発生する可能性が高いです。さらに、骨肉腫など別の悪性腫瘍(二次がん)が発生しやすいことも知られています。そのため、あらかじめ遺伝性であることが分かれば、早期発見のための定期検査を受けたり、放射線による二次がんのリスクをできるだけ減らすために不要なX線(レントゲン)検査やCT検査を避けたりするなど、具体的な対策を立てることができます。
【もっと詳しく】遺伝・遺伝子について
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RB1遺伝子の働きと網膜芽細胞腫
網膜芽細胞腫は、13番染色体の13q14と呼ばれる場所にあるRB1遺伝子の病的な変化によって発症することが分かっています。RB1遺伝子には、細胞が過剰に増えないように細胞分裂を調節する重要な役割があります。人の細胞には通常23対(46本)の染色体があり、RB1遺伝子も、父親から受け継いだものと母親から受け継いだものの2本があります。一方のRB1遺伝子に病的な変化があっても、もう一方が正常に働いていれば、細胞は正常に機能することができます。しかし、両方のRB1遺伝子の働きが失われると、細胞分裂の調節ができなくなり、網膜芽細胞腫が発生すると考えられています。
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遺伝学的検査
現在は、RB1遺伝子の病的な変化が全身の細胞(網膜以外の細胞)にあるかどうかを調べる血液検査を、保険診療で受けることができるようになっています。病的な変化が検出されれば遺伝性と判断できますが、検出率は約80%とされています。病的な変化が検出されなかった場合は、遺伝性ではないことが多いと考えられますが、遺伝性であっても、現在の検査ではその変化を検出できない可能性もあります。そのため、検査結果は、発症の状況や家族歴などを含めて総合的に評価する必要があります。検査を受ける際には、目的や限界を十分理解しておくことが大切です。必要に応じて、遺伝相談外来などで適切なカウンセリングを受けるのがよいでしょう。詳しくは担当医にご相談ください。
5.予防・検診
網膜芽細胞腫は、RB1遺伝子の変化と関連していることが分かっています。しかし、網膜芽細胞腫を含め、小児がんの多くは、なぜ発症するのかという根本的な原因や予防法はまだはっきり分かっていません。大人のがんとは異なり、生活環境や生活習慣など特定の原因が影響して発症する可能性は低いと考えられています。そのため、日常生活の中で注意して予防する方法は現在のところありません。
また、国が推奨する小児がんに特化したがん検診はありません。症状が出てから検査を受けて見つかる場合がほとんどです。
一方、両眼性の網膜芽細胞腫の場合や家族歴がある場合は遺伝性と考えられ、その親から生まれる子どもは50%の確率でRB1の病的変化を受け継ぐことが分かっています。そのため、遺伝性の網膜芽細胞腫を発症する可能性がある場合は、出生時から定期的に眼底検査を行い、腫瘍を早期に発見することが強く推奨されています。
網膜芽細胞腫の遺伝に関することで心配や不安がある場合は、まずは担当医に相談してください。臨床遺伝専門医などの遺伝の専門家によるカウンセリングを利用することもできます。
網膜芽細胞腫〈小児〉 検査
網膜芽細胞腫の検査と診断は、目の奧を詳しく調べる「眼底検査」が基本となります。必要に応じて画像検査も組み合わせて行います。一般的ながんとは異なり、診断のために腫瘍の一部を切り取る「生検(病理検査)」は行いません。目の診察と画像検査による臨床診断に基づいて初期の治療方針を決定します。あわせて、全身の状態を把握するための診察も行います。
網膜芽細胞腫の検査では、検査に対する子どもの恐怖心を和らげ、検査中に動いてしまうのを防ぐため、薬や麻酔を使用して眠った状態で検査を行うことがあります。
1.前眼部検査・眼底検査
前眼部検査は目の前方約3分の1にある角膜や瞳の周辺を、眼底検査は眼球の奥側約3分の2にある網膜、視神経、血管などを詳しく調べる検査です。
検査では、点眼薬で瞳孔(黒目の中心部分)を開いた状態にして、目の奥にある網膜などの状態を観察します。同時に、目の表面近くにある隙間(前房)や、さらに奧のゼリー状の組織(硝子体)に腫瘍が広がっていないかも確認します(図1)。特殊な顕微鏡で拡大して観察するため、1mm程度の小さな腫瘍も発見することができます。また、最適な治療法を選ぶために、網膜剥離や緑内障など、他の病気が隠れていないかも合わせて確認します。
2.画像検査
1)超音波(エコー)検査
超音波検査は、耳で聞こえない高い音(超音波)を体に当てることで、体内の様子を映し出す検査です。腫瘍の性質や広がりを調べます。
実際の検査では、閉じたまぶたの上からプローブ(超音波検査機器の先端部分)を軽く当てて、眼球の状態を詳しく調べます。腫瘍の大きさや位置に加えて、網膜芽細胞腫の特徴の1つである腫瘍内部の石灰化(カルシウムが沈着して硬くなる現象)の有無を確認することができます。この検査は放射線を使わないため、被ばくの心配がありません。また、角膜の濁り(角膜)などで目の奧の組織を細かく調べる眼底検査が十分できない場合にも有用です。
2)CT検査、MRI検査
CT検査はX線(放射線)を、MRI検査は磁気を用いて、腫瘍の性質や広がりを調べる検査です。
CT検査は眼球内の腫瘍の石灰化(カルシウムが沈着して硬くなる現象)を鮮明に写し出すことができるため、網膜芽細胞腫の診断に有用です。しかし、放射線被ばくのリスクを伴うため、基本的にはMRI検査を優先して行います。ただし、腫瘍が眼球外へ広がっていることが疑われる場合など、被ばくのリスク以上に検査の必要性がある場合は、全身のCT検査を行うことがあります。
MRI検査は腫瘍の広がりをよりはっきりと映し出すことができます。そのため、腫瘍が頭の骨の内側まで広がっていないか(頭蓋内浸潤)の確認や、両眼性の網膜芽細胞腫の約3%にみられる三側性網膜芽細胞腫(脳にも同様の腫瘍を併発するまれな小児がん)の検出に有⽤です。
3)腫瘍が眼球の外へ広がっていることが疑われる場合の検査
他の場所への転移がないかを調べる検査には、全身のCT検査、がん細胞に集まりやすい特殊な薬を注射して撮影するPET検査、特定の臓器に集まる薬を注射して撮影するシンチグラフィ検査などがあります。これらの検査では放射線(放射性の薬剤やX線)を用いるため、ごく低い確率ですが、別の悪性腫瘍(二次がん)を引き起こす原因になることがあります。
特に、両眼性など遺伝性の網膜芽細胞腫の子どもは、体質的に他の子どもと比較して二次がんを生じやすいことが分かっています。
網膜芽細胞腫は、腫瘍が眼球の中にとどまっている段階であれば、別の場所に転移することは非常にまれです。そのため、腫瘍が眼球外に広がっていないと判断できる場合は被ばくを伴う検査は最小限にとどめます。
一方で、腫瘍が眼球の外へ広がっている疑いがある場合は、被ばくのリスクよりも、全身の状態を検査して詳しく調べる必要性の方が高くなります。その場合は、これらの検査に加えて、骨の中にある血液を作る組織を調べる骨髄検査や、脳や脊髄の周りを満たしている液を調べる脳脊髄液検査なども組み合わせて行います。
3.病理検査
手術を行って眼球を摘出した場合は、取り出した組織を顕微鏡などで詳しく調べる病理検査を行います。この検査では、がんの広がり具合(進展度)を評価し、再発や転移のリスク、手術後に追加の治療が必要かどうかなどを判断します。
病理検査で特に重要なのはがんがどこまで深く入り込んでいるか(浸潤の範囲)です。目から脳へとつながる神経の通り道(篩状板)を超えて視神経へ浸潤している場合には、脳や脊髄などへの転移に注意する必要があります。また、眼球内にとどまっていても脈絡膜や毛様体など血液がたくさん流れている組織にがんが入り込んでいる(浸潤している)場合には、血液の流れに乗って他の臓器へ転移する可能性を考慮します(図1)。
4.腫瘍マーカー検査
網膜芽細胞腫では、現在のところ、診断や治療効果の判定に使用できるような特定の腫瘍マーカーはありません。
網膜芽細胞腫〈小児〉 治療
網膜芽細胞腫の治療は、手術(外科治療)、放射線治療、薬物療法などがあります。また、診断されたときから、がんに伴う心と体のつらさなどを和らげるための緩和ケア/支持療法を受けることができます。
子どものがんの治療は、大人のがんとは異なる場合もあります。小児がんと診断された場合は、小児がんの医療を専門的に行っている病院(例えば小児がん拠点病院、小児がん連携病院など)で治療を受けるようにしましょう。できれば子どもの成長・発達に配慮した設備、医療者などの環境が整っている病院がよいでしょう。
1.病期(ステージ)と治療の選択
治療は、がんの進行の程度を示す病期(ステージ)やがんの性質、体の状態などに基づいて検討します。網膜芽細胞腫では、腫瘍が眼球内にとどまっているか、眼球の外に広がっているかによって治療法が大きく異なります。
1)病期(ステージ)
網膜芽細胞腫では、がんの進行の程度(ステージ)に合わせて、眼球を残せるかどうかを検討します。その基準として、現在は眼球内網膜芽細胞腫の国際分類が広く使われています(表2)。この分類は最も状態が軽いA群から最も進行しているE群までの5段階に分かれています。国際分類A群の腫瘍は眼球を残せる可能性が最も高く、国際分類E群になるとその可能性が最も低くなります。
| A | 3mm以下の網膜腫瘍 |
|---|---|
| B | 3mm以上、黄斑部、視神経近傍の網膜腫瘍 |
| C | 限局性播種1)(硝子体・網膜下) |
| D | びまん性2)播種(硝子体・網膜下) |
| E | 摘出を要する進行例 |
- 1)播種:腫瘍から腫瘍細胞が崩れて散らばった状態
- 2)びまん性:腫瘍が広範囲に広がっている状態
2)治療の選択
治療法は、病期分類に基づいて、手術(外科治療)、薬物療法、放射線治療などについて検討します。生活環境、年齢を含めた体の状態などを考慮しながら、子ども本人の希望や気持ちも尊重し、担当医とよく話し合って決めていきます。
(1)眼球の外へ広がっている場合や転移がみられる場合
眼球を摘出し、できる限り腫瘍を切除します。手術後は細胞障害性抗がん薬を用いた薬物療法(化学療法)や、腫瘍のあった部位への放射線治療を⾏います。転移している場合には、大量化学療法と呼ばれる強い全身治療が必要になることがあります。
(2)腫瘍が眼球の中にとどまっている場合
最近では、眼底検査や画像検査で腫瘍が眼球の外へ広がっていないことが分かった場合、眼球を摘出せず、できる限り残す方針で治療を進めるケースが増えています。眼球を摘出する場合のメリットとデメリットや、眼球を残せる可能性がどのくらいあるかについて、納得がいくまで担当医とよく相談しましょう。
(3)眼球を残すか、摘出するかの判断
腫瘍の大きさや場所によって、視力への影響は大きく異なります。そのため、眼球が残せたとしても、これまで通りの視力が保てるとは限りません。また、眼球を残す選択は、義眼(人工の目)にするよりも見た目が自然に保てる可能性がある一方で、慎重に考えなければならない問題もあります。
例えば、がんが再発したり別の場所に転移したりするリスクが残ることがあります。また、眼球を残すための局所治療によって全身麻酔の回数が増えると、体への負担が大きくなります。さらに、治療によって目のサイズが小さくなったり、左右の目の視線がずれる斜視や、水晶体(目の中のレンズ)が濁る白内障などが起こったりして、かえって変化が目立つようになることもあります。特に放射線治療を行った場合は、目の周りの骨の成長が悪くなり、目が奥にくぼんでしまうことがあります。
腫瘍が片方の目だけにあるのか、両方の目にあるのかによっても、治療の選択肢が変わります。将来どれくらい目が見える状態を保てるか、治療後にどのような合併症が起こる可能性があるかなどを総合的に考える必要があります。担当医とよく相談しながら、納得のいく治療方針を決めていくことが大切です。
妊孕性温存(妊娠するための力を保つこと)について
がんの治療が、将来の妊娠や出産に影響することがあります。近年、卵子や精子、受精卵、卵巣や精巣などの組織を凍結保存する「妊孕性温存治療」という選択肢も加わってきました。ただし、年齢や発達の状況によって利用できる方法は異なり、乳幼児などでは選択肢が限られる場合があります。まずは治療を開始する前に、妊孕性温存治療ができるかどうか、担当医に相談してみましょう。
2.手術(外科治療)
視力を残すことが難しい場合や、緑内障などの合併症がある場合などは、眼球を摘出する手術を行います。また、摘出した眼球の病理検査で眼球の外にも腫瘍が広がっている可能性があると分かった場合は、転移を防ぐために細胞障害性抗がん薬による薬物療法を⾏います。
⼿術では、腫瘍を眼球ごと取り除きます。眼球の中にある腫瘍だけをくり抜いて切除することは、がんが周りに飛び散って転移するリスクが高いため行いません。そのため、網膜芽細胞腫における腫瘍の切除は眼球の摘出を意味します。手術は全身麻酔で行い、1時間程度で終わります。手術後は、まぶたの腫れや皮下出血が見られる場合がありますが、通常は1~2週間で治まります。
手術が終わるとすぐに、結膜嚢(まぶたの裏側の袋状のくぼみ)の形を保つため、有窓と呼ばれる、中心に穴があいた透明なプラスチック製の義眼(人工の目)を入れます。手術後2~4週間で傷が落ち着いてきたら、黒目や白目が描かれている仮の義眼に着け替えます。その後、子どもの成長や目の状態に合わせて調整を重ね、より自然な見た目の本義眼を作っていきます。
小児がんで眼球を摘出したあとの義眼作製には、年齢の制限なく健康保険が適用されます。手続きは、いったん費用の全額を自己負担したあと、申請により払い戻しを受ける「療養費払い」となります。義眼の耐用年数は原則2年ですが、子どもの成長に伴って作り直しが必要と認められれば、2年以内であっても再度健康保険の適用を受けられます。また、自己負担をさらに軽減できる公的助成制度を利用できる場合もあります。詳しくは、担当医や病院の「がん相談支援センター」などに相談してください。
義眼について
義眼は正面を向いたときの、もう片方の目の向き(義眼を入れない方の目の視線)を基準に作ります。横を見るときに義眼自体を大きく動かすことは難しいですが、見たい⽅向に顔を向けるようにすれば周囲からはほとんど気になりません。また、人前で義眼がずれることはほぼなく、まばたきも自然にできますし、涙も通常通り流れます。
義眼は毎日はずして洗い、目やにをふき取るなど、清潔に保つことが大切です。目やにが多いときには、眼軟膏や点眼薬を使います。また、子どもの場合は、成長に合わせて義眼を作り替える必要があります。
なお、義眼台という土台を埋め込む手術をしておくと、ある程度は義眼を動かせるようになります。ただし、時間の経過によって義眼台が表面に露出してしまい、手術で取り除かなければならないことがあります。義眼台を入れるかどうかは、担当医とよく話し合って決めましょう。
3.眼球温存治療
視力を保てる可能性がある場合は、眼球を残したままでがんを治す治療(眼球温存治療)を行います。通常は、薬物療法(化学療法)と局所治療などを組み合わせて治療を行います。一人ひとりの状態に合わせて最適な方法を選ぶため、一律の標準治療はまだ確立されていません。
治療の効果は、目の奥を詳しく調べる眼底検査で確認します。CTやMRIなどの画像検査では、小さな腫瘍を見つけることができません。また、腫瘍が残っているのか、それとも治った後の傷あと(瘢痕)なのかを区別するのは困難です。
4.局所治療(局所療法)
局所治療とは、病変がある特定の場所とその周辺に絞って行う治療のことで、局所療法ともいいます。がんがある部分に直接働く治療法です。その方法の1つとして、がんを温めたり凍らせたりすることで、破壊する治療があります。
1)レーザー照射(温熱療法)
特殊な光(レーザー)を当てることで腫瘍を温めて破壊する治療法です。比較的小さな腫瘍に対してはレーザー単独で行い、大きな腫瘍に対しては薬物療法(化学療法)と組み合わせて行います。
2)冷凍凝固
-80℃に冷却した専用器具の先端を白目の上から眼球の壁に優しく押し当て、奧の腫瘍を凍らせて破壊する治療法です。網膜の周辺部(眼球の前⽅)にある比較的小さな腫瘍に対して行います。手術後に白目の部分(結膜)の充血や腫れが見られることがあります(図1)。
5.放射線治療
放射線治療はX線などの放射線によって腫瘍(がん)を破壊する治療法です。
1)外照射治療
体の外からがん(腫瘍)に向けて放射線を照射する治療法です。
従来のX線治療
網膜芽細胞腫の治療では、主に顔の横(側方)からX線を当てます。通常は20~25回に分割し、毎日少しずつ照射します。この治療は約60%の割合で腫瘍が消失するなど高い治療効果が期待できたため、1990年代までは治療の中心でした。しかし、その後に以下のような副作用が出るリスクがあることが分かったため、現在ではほとんど行われていません。
- 顔面の変形:目の周りの骨の成長が妨げられることがあります。
- 二次がん:放射線が当たった場所に別のがんを生じる危険性があります。
- 成長への影響:頭蓋骨の奥にある下垂体に放射線が当たることで、成長に必要なホルモンの働きが乱れることがあります。
陽子線治療
2016年から、小児がんに対する陽子線治療が保険適用になりました。陽子線は眼球以外の組織が被ばくする範囲を小さくできるため、従来のX線治療でみられた放射線障害を低減することが期待されています。
ただし、陽子線治療が可能な施設は全国でも限られています。また実際の治療効果と副作用については、現在も慎重に評価が進められています。治療を検討する場合は担当医とよく相談することが大切です。
2)小線源治療(内照射)
放射線を発生する金属(ルテニウム)の板を眼球の外側に直接固定し、一定期間、腫瘍部分に集中して放射線を照射する治療です。周りの組織への放射線の影響を最小限に抑えることができます。ただし、この治療は鉛で覆われた特殊な病室に入院する必要があるため、この治療に対応できる病院は非常に限られています。
6.薬物療法(化学療法)
薬物療法は、薬を使って病気の治療や症状の改善を目指す治療法です。その一種である化学療法では、細胞障害性抗がん薬を使ってがん細胞の増殖を抑え、腫瘍を小さくします。
1)全身化学療法
全身化学療法は、抗がん薬を点滴や内服などで体に入れ、血液の流れに乗せて全身のがん細胞に届ける治療法です。一般的な化学療法(抗がん薬治療)と同じ意味ですが、体の一部分だけを治療する局所化学療法と区別するためにこのように呼ばれることがあります。
眼球内の治療(局所治療)だけでは治すことが難しい比較的大きな腫瘍(国際分類B~D群など)に対しては、まず全身化学療法を行います。最もよく用いられる方法は、3種類の抗がん薬を数日かけて点滴で投与し、その後3~4週間の間隔をあける治療を1サイクルとして、これを複数回繰り返すものです。この治療により、眼球内の腫瘍は小さくすることができます。ただし、この治療だけで腫瘍を治すことは難しいため、通常は局所治療を追加して行います。
化学療法で使用する細胞障害性抗がん薬はがん細胞だけでなく正常な細胞にも影響を及ぼすため、毛が抜けたり、吐き気がしたり、白血球や血小板が減ったりするなどの副作用が生じることがあります。どのような副作用が起こりやすいか、特に気をつけるべき症状は何かなど、治療が始まる前に担当医に確認しておきましょう。また、副作用と思われる症状がみられたときには、自己判断せず、すぐに担当医に相談してください。
2)局所化学療法(目だけを対象とした治療)
局所化学療法は、がん細胞が存在する特定の部位や組織に対して、細胞障害性抗がん薬などの薬剤を直接投与する治療法です。全身化学療法のあとに残っている腫瘍や、眼球の中に再発した腫瘍に対して行います。投与方法は2種類あり、いずれも網膜芽細胞腫に対する標準的な治療として世界中で行われています。
(1)選択的眼動脈注入
太ももの付け根などから細い管(カテーテル)を挿入し、眼球へとつながる眼動脈に直接、細胞障害性抗がん薬を少量だけ注入する方法です。目の中には十分な量の細胞障害性抗がん薬を届けることができる一方で、全身にはごくわずかな量しか流れないため、全身の副作用を抑えることができます。2026年からは、保険診療で行うことができるようになりました。
(2)硝子体注入
目の中にあるゼリー状の組織である硝子体に腫瘍が播種している(散らばっている)場合に行う治療です。硝子体へ直接薬剤を注入します。硝子体に薬剤を注入することは、他の一般的な眼科疾患でもよく行われる安全性の高い治療法とされています。
7.緩和ケア/支持療法
小児がんになると、体や治療のことだけではなく、学校のことや、将来への不安などのつらさも経験するといわれています。
緩和ケアは、がんに伴う心と体のつらさや社会的なつらさを和らげます。がんと診断されたときから始まり、がんの治療とともに、つらさを感じるときにはいつでも受けることができます。
支持療法とは、がんそのものによる症状やがんの治療に伴う副作用・合併症・後遺症を軽くするための予防、治療およびケアのことを指します。
本人にしか分からないつらさもありますが、幼い子どもの場合、つらさを我慢したり、あるいは自分で症状や感情をうまく表現できなかったりすることもあります。そのため、周りの人が本人の様子をよく観察したり、話をよく聞いてあげたりすることが大切です。気になることがあれば積極的に医療者(医師、看護師、薬剤師、理学療法士など)へ伝えましょう。
8.リハビリテーション
リハビリテーションは、がんやがんの治療による体への影響に対する回復力を高め、残っている体の能力を維持・向上させるために行います。また、心と体のさまざまなつらさを和らげる「緩和ケア」の一環としても、非常に重要な役割を持っています。
子どもは、がんやその治療の影響によって日常生活動作(ADL)が低下しやすく、リハビリテーションの強さや回数の調節が難しい面があります。年齢や性格に合わせて遊びの要素を取り入れたり、無理をさせないように配慮したり、工夫しながら進めます。
網膜芽細胞腫の場合、目に発生した腫瘍を治療するため、治療後の見え方は腫瘍の状態、治療のダメージによって一人ひとり異なります。リハビリテーションの一環として、視覚障害によって日常生活および社会生活を不自由に感じている人を支援するロービジョンケアや、年齢に応じた視覚支援教育などを行うことも重要になります。
9.再発した場合の治療
再発とは、治療によって、見かけ上なくなったことが確認された腫瘍(がん)が、再びあらわれることです。原発巣のあった場所やその近くに、がんが再びあらわれることだけでなく、別の臓器で「転移」として見つかることも含めて再発といいます。
網膜芽細胞腫の場合、眼球温存治療後の再発は、もともと腫瘍のあった場所に残っていた腫瘍細胞が再び見える大きさになって見つかることです。この場合は、眼球に対する治療を追加します。
眼球を摘出したあとの眼部への再発や、遠隔転移を生じた場合は、手術、薬物療法、放射線治療を組み合わせた集学的治療を行います。
脳転移を生じた場合は、がん自体を治すことが非常に難しくなるため、体の痛みや心のつらさを和らげる緩和ケア/支持療法が中心になることもあります。
網膜芽細胞腫〈小児〉 療養
本人の心や体のケア、家族へのケア、周りの方ができること、制度やサービス、入院治療後の生活、長期フォローアップなどの情報を関連情報に掲載しています。併せてご活用ください。
1.入院治療中の療養
子どもにとっての入院生活は、検査や治療に向き合う療養生活に加え、発達を促すための遊びや学びの場でもあります。病院では、さまざまな職種が連携し、多方面から子どもとご家族を支援していきます。
- 医師、看護師、薬剤師、理学療法士、管理栄養士、ソーシャルワーカーなど
- 保育士、療養支援の専門職(チャイルド・ライフ・スペシャリスト(CLS)、ホスピタル・プレイ・スペシャリスト(HPS)、子ども療養支援士など)、院内学級の教員など
また、入院治療中は保護者が子どもに付き添う時間がどうしても多くなります。そのため、きょうだいがいる家庭では、きょうだいの心のケアやサポートも重要になります。
医療費のことも含め、さまざまな支援制度が整っています。「どこに相談したらいいのか分からない」というときには、まずは小児がん拠点病院などの「がん相談支援センター」に相談することから始めましょう。子ども本人のことに限らず、保護者自身の不調や悩みなどについても相談が可能です。1人で抱え込まずに、周りに頼ること、多方面と効果的にコミュニケーションを取ることが大切です。各医療機関の相談窓口、ソーシャルワーカー、各自治体の相談窓口に尋ねてみることもできます。
網膜芽細胞腫の入院治療では、短期間の入院を何度も繰り返すケースが多くみられます。また、子どもが動かずに安全で正確な処置を受けられるよう、検査や治療のたびに全身麻酔が必要となります。そのため、入院治療中は一般的な体調管理に加えて、ご家族の深い理解と協力が重要になります。
2.経過観察
治療後は定期的に通院して検査を受けます。網膜芽細胞腫では、眼球が温存できた場合は、眼球の中で再発していないか、別に新しい腫瘍が生じていないかなど、治療後の目の状態を確認する必要があります。また、眼球を摘出した場合は、義眼の具合や眼窩(眼球が入っていた骨のくぼみ)の中で再発していないかなどを確認します。
診察の間隔は治療内容や眼の状態によって変わりますが、治療後半年は月1回、その後は2カ月ごとと少しずつ間隔をのばしていきます。必要に応じて血液検査や頭部MRI検査なども行います。
3.日常生活を送る上で
退院して間もなくは、入院生活や治療の影響により体力や筋力が低下しています。あせらずに、少しずつ普段の生活リズムを取り戻していきましょう。
食事
食欲が低下して食事内容が偏ってしまう場合があります。十分な水分摂取とともに栄養のバランスを考慮した食事を心がけるようにしましょう。
運動
強い紫外線による過度の日焼けは避けましょう。特に退院後しばらくは、治療の影響によるバリア機能の低下や、手術の傷跡などにより、皮膚が紫外線の影響を受けやすいことがあるため注意が必要です。また、疲れが翌日に残るような激しい運動は控え、体調を見ながら徐々に普段の活動に戻していきましょう。運動再開の時期や内容は、病気や治療内容、回復状況によって異なるため、担当医に相談してください。
感染予防
受けた治療によりますが、治療後しばらくの間は予防接種を受けられないことがあります。日頃からの感染予防に努めましょう。また、退院してしばらくは感染を防御する力が十分には回復していないこともあります。近くでみずぼうそうや、はしかなどの特別な感染症が流行した場合は、すぐに担当医に連絡し、対応を相談してください。
登園・登校(復園・復学)
園や学校に戻るタイミングについては、子どもの状態によって一人ひとり異なります。時期やこれからのスケジュール、さらに、活用できる社会的サポートなどについては、担当医やソーシャルワーカーとよく話し合いながら進めていくことが大切です。
集団生活が始まったら、子どもの様子を見ながら、担任の先生や養護教諭などと相談し、できることから徐々に慣らしていきましょう。
網膜芽細胞腫の治療により、視力が低下した場合は、子ども本人と家族の希望を第一に考えたうえで、学校や教育委員会と相談しながら今後の通学先を検討していきます。視覚特別支援学校の入学基準は、両目の視力が0.3未満とされていますが、これはあくまで1つの目安です。これより視力が低くても地域の通常学校に通うことは可能です。通常学校に特別支援学級が設置されていたり、サポートの先生がついたりすることもあります。また、見え方に合わせて文字を拡大するロービジョン機器を使えることもあります。
現在の視力だけで判断するのではなく、子どもの将来の可能性を広げる最適な選択ができるようにしていきましょう。
4.晩期合併症/長期フォローアップ
1)晩期合併症
晩期合併症とは治療が終わってから長い時間が経過したあとに起こる健康上の問題のことです。疾患そのものの影響よりも、薬物療法、放射線治療、手術、輸血などの治療が原因となっていることが多いとされています。本人や家族が、将来どのような晩期合併症が起こる可能性があるのかを知っておくことはとても大切です。
どのような晩期合併症が出やすいかは、病気の種類、受けた治療、治療時の年齢により異なります。その程度も軽いものから重いものまであり、発症する時期も数年後から数十年後までさまざまです。
網膜芽細胞腫の晩期合併症には、目に起こるものと、全身に起こるものがあります。
目に起こる晩期合併症には、白内障、角膜や網膜の障害(図1)、眼球の萎縮(小さくなること)などがあります。また視力が低下している場合は斜視が生じやすくなります。目の合併症については、腫瘍の経過観察とともに眼科で定期的に診察を受け、必要に応じて治療を行います。
全身に起こる晩期合併症には、成長や発達への影響、妊孕性への影響、臓器の働きへの影響、二次がんなどがあります。多くの場合、全身化学療法に伴うものです。子どもの成長に応じて必要な治療やサポートを行います。
二次がんについては、遺伝性の場合に起こることが多く、治療後数年以上経過してから別のがんが発症するという特徴があります。特に筋肉、骨、神経などから発生する肉腫の発症リスクが高まることが知られていますが、肉腫は体の深い部分にできやすいため、早期発見は難しいとされています。そのため、気になる症状が出た際には、速やかに適切な検査を行うことが重要となります。
2)長期フォローアップ
晩期合併症に適切に対処するためには、発達段階に応じた、幅広いフォローアップケアが必要となります。治療後は一人ひとりの子どもに合わせて、いつ・どこで・どのような診察や検査を行うかといった、長期フォローアップの方針を決めていきます。
また、治療の記録(薬物療法で使用した薬剤の名前や量、放射線治療の部位や放射線量など)を残していくことも重要です。就学や進学、就職、転居、結婚などにより生活環境や通院する医療機関が変わったときにも継続していきましょう。治療から長い年月がたつと、医療機関側でも過去の治療内容を詳しく確認するのが難しくなることもあります。
治療部位以外でも体のことについて気になることがあれば、担当医に相談しましょう。
網膜芽細胞腫〈小児〉 臨床試験
より優れた標準治療の確立を目指して、臨床試験による研究段階の医療が行われています。
現在行われている標準治療は、より多くの人によりよい治療を提供できるように、研究段階の医療による研究・開発の積み重ねでつくり上げられてきました。
網膜芽細胞腫〈小児〉の臨床試験を探す
国内で行われている網膜芽細胞腫〈小児〉の臨床試験が検索できます。
がんの臨床試験を探す チャットで検索
※入力ボックスに「網膜芽細胞腫」と入れて検索を始めてください。チャット形式で検索することができます。
がんの臨床試験を探す カテゴリで検索 小児の固形がん
※「カテゴリで検索」では、広い範囲で検索します。そのため、お探しのがんの種類以外の検索結果が表示されることがあります。
臨床試験への参加を検討する際は、以下の点にご留意ください
- 臨床試験への参加を検討したい場合には、担当医にご相談ください。
- がんの種類や状態によっては、臨床試験が見つからないこともあります。また、見つかったとしても、必ず参加できるとは限りません。
網膜芽細胞腫〈小児〉 患者数(がん統計)
1.患者数
日本では、毎年約70~80人の小児が網膜芽細胞腫を発症しています。
2.生存率
小児がんの生存率に関する情報です。
網膜芽細胞腫〈小児〉 関連リンク・参考資料
1.網膜芽細胞腫〈小児〉の相談先・病院を探す
小児がんの診療を行う「小児がん拠点病院」や「連携病院」を探すことができます。
2.参考資料
- 日本小児血液・がん学会編.小児がん(血液腫瘍・固形腫瘍)診療ガイドライン 2026年版.2026年,金原出版.
- 日本小児血液・がん学会編.小児血液・腫瘍学 改訂第2版.2022年,診断と治療社.
- JCCG長期フォローアップ委員会長期フォローアップガイドライン作成ワーキンググループ編.小児がん治療後の長期フォローアップガイド.2021年,クリニコ出版.
- (公財)神戸医療産業都市推進機構 がん情報サイト PDQ® 日本語版 網膜芽細胞腫の治療(PDQ®)(閲覧日2026年9月1日)https://cancerinfo.tri-kobe.org/summary/detail_view?lang=ja&pdqID=CDR0000258033
作成協力
一般社団法人くすりの適正使用協議会 くすりのしおり